
2024年12月、多くのメディアが「ソニーのXperia、電波法違反で総務省が行政指導」と報じました。毎日使うスマートフォンに関するニュースだけに、「自分のXperiaは大丈夫なのか」「このまま使い続けても問題はないのか」「何が違反だったのか」といった不安を抱いた人も少なくなかったはずです。

そこで今回は、現在のXperiaの安全性はどうなっているのか、そしてユーザーとして何かすべきことがあるのかを具体的にお伝えします。結論から言えば現在流通しているXperiaには、安全性の問題はありません。とはいえ「それでも不安」という方には、この記事を今後もXperiaを安心して使い続けるための判断材料にしていただければ幸いです。

総務省による行政指導の概要

2024年12月13日、日本の電波行政を管轄する総務省は、ソニー株式会社に対して行政指導を行ったことを公式に発表しました。指導の理由は、ソニーが製造・販売する一部のXperiaスマートフォンが電波法に違反している状態にあったためです。
違反とされたのは、電波法第38条の25に定められた「工事設計合致義務」です。簡単に言えば、国から認証を受けた設計図通りに製造・販売しなければならないという義務に違反した、ということです。
今回のケースでは、認証を受けた設計図にはないアンテナ(空中線)を使用して電波を発射できる仕様になっていたことが問題とされました。何らかの理由で、国と約束した設計図とは異なるアンテナ部品が、一部の製造ラインで使われてしまったことが原因と考えられます。その結果、製品自体は技適マークを表示しているにもかかわらず、その中身(アンテナ)が認証内容と異なってしまい、「約束違反」、すなわち「工事設計合致義務違反」の状態となったのです。
この違反は意図的な不正ではなく、複雑なサプライチェーンや並行開発の過程での管理上の見落としが原因である可能性が指摘されています。しかし、理由が何であれ、認証された設計と異なる製品を市場に出してしまったという事実は、メーカーの品質管理体制における重大な課題を示しています。
違反の対象となったXperiaの具体的なモデル
ユーザーにとって最も重要なのは、「自分のスマートフォンが対象なのか」という点でしょう。結論から言うと、対象はドコモ向けに販売された特定の7機種のみです。
auやソフトバンク、楽天モバイルといった他のキャリアで販売されたモデルや、メーカー直販などのSIMフリーモデル、そして海外で購入したグローバル版のXperiaは、今回の行政指導の対象外です。これらのモデルをお使いの方は、まずご安心ください。
以下が、今回違反が確認されたドコモ向けの7機種です。

Xperiaをこのまま使い続けるのは安全?
対象機種をお持ちの方が最も懸念されるのは、「このまま使い続けて安全なのか」という点でしょう。結論から言えば、すでに対応は完了しており、現在流通している、あるいは皆さんが使用中の端末に、法的な問題や安全上の懸念はありません。
これは、単なるメーカーの声明ではなく、総務省の発表によっても裏付けられています。総務省の報道資料には、以下の事実が明記されています。
「なお、対象の携帯電話端末は、同社から工事設計認証の再申請を行っており、令和6年11月1日(金)時点で正しい工事設計に基づく認証を受けています。そのため、現時点においては、流通済みの端末を含め、対象の携帯電話端末の工事設計合致義務違反は是正されています。– (総務省 報道資料(令和6年12月13日)より引用)」
つまり、行政指導が発表された12月13日の時点では、すでに1カ月以上前に問題は解決されていたということです。ソニーは違反を認識した後、速やかに対象機種のアンテナ構成を反映した正しい設計で認証を再申請し、再取得しました。これにより、市場に出回っているすべての対象端末(販売済みのものを含む)の法的な違反状態は解消されています。したがって、ユーザーが交換や修理、あるいは使用を中止する必要は一切ありません。
とはいえソニーは今後、設計・製造・品質管理の各プロセスにおけるチェック体制をどのように強化していくかが問われ続ける立場に置かれたのも事実です。ただし今回の事案は、FCNTのスマートフォンでも類似の事案が指摘されていることから、ソニー一社だけの問題ではない可能性もあるでしょう。
総じてスマートフォンの高機能化とグローバルな部品調達網の複雑化が進むなかで、メーカーがいかにして製品の設計と製造の一貫性を保ち、法令を遵守していくか。その管理体制の重要性が、改めて強く浮き彫りになった事例といえます。
※サムネイル画像は(Image:「ソニー」公式サイトより引用)