シンプルな操作性と見やすさが特徴のシニア向け携帯電話。主に60歳以上の方におすすめされていますが、実際にどれくらいの人が利用しているのでしょうか。iPhoneやAndroidといったスマートフォンが一般的になった現在、シニア世代の利用状況はどうなっているのでしょうか。今回は、シニア世代の携帯電話の利用状況についての調査結果を紹介しよう。

スマホ(シニア向け含む)比率は60代が94%、70代が84%、80代前半が68%

モバイル社会研究所は、2025年1月、全国の60~84歳男女1,300人を対象に訪問留置調査を行った。
シニア世代がどのような種類の携帯電話を所有しているか尋ねたところ、すべての年代で最も多かったのは「Androidスマホ」だった。中でも60代男性、70代男性の半数が「Androidスマホ」を所有していることがわかった。
年代別に見ると、60代では男女ともに約4割が「iPhone」を所有しており、70代になると約2割、80代前半では1割~2割に減少する。一方で「シニア向けのスマホ」を所有する割合は年齢が上がるにつれ増加し、特に女性の方が男性よりも多い傾向が見られた。
「iPhone」「Android」「シニア向けのスマホ」これらを合わせた割合は、60代で94%、70代で84%、80代前半で68%という結果に。多くの人が「シニア向けのスマホ」を主流と考えているかもしれませんが、実際には多くのシニアが一般的なスマートフォンを使いこなしていることが分かりました。
シニア世代のよく使う携帯電話の種類が変化

意外にも「シニア向けのスマホ」の所有率が低いことが明らかになったが、これは近年の傾向なのだろうか。2017年からの推移を見てみると、60代における「iPhone」「Android」「シニア向けスマホ」を合わせた割合は、2022年以降で9割を超えていました。
「iPhone」「Android」の比率が増える一方で、「シニア向けのスマホ」に関しては、2020年まで約2割程度だったものの、2021年からは約1割、2023年には1割を下回る結果となった。

70代について見ると、「シニア向けのスマホ」の比率は2019年にやや減少したものの、2021年には約3割になり、その後は2割~3割の間で推移している。
一方で、「従来のケータイ」「シニア向けの従来のケータイ」の比率は2021年を境に減少傾向にあり、それに代わるように「iPhone」「Androidスマホ」の比率が増加するようになった。「iPhone」をはじめとするスマートフォンに慣れ親しんだシニア世代にとっては、従来の携帯電話に戻る必要性を感じず、そのままスマートフォンを使い続ける方が便利だと考えているようです。
今回の調査結果は、シニア世代のデジタルデバイスに対する意識が、私たちの想像以上に進んでいることを示しています。「シニア向け」という枠にとらわれず、多くのシニア世代が自分に合ったスマホを使いこなしている現代の姿が浮かび上がりました。
出典:【モバイル社会研究所】
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