誰もが簡単にSNSで情報発信できる現代。膨大な投稿の中には、真偽の不確かな情報や、騒ぎを起こすために意図的に流したフェイクニュースなど間違った情報が流布されているが、いったいどれくらいの人がSNSで不確かな情報を目にしているのだろうか。また、そう感じる人と感じない人の間にはどんな違いがあるのだろうか。今回は、SNSの利用者行動に関する調査結果を紹介しよう。
若者は、真偽不明な情報を頻繁に目にしていると感じている

モバイル社会研究所は、2025年2月、全国の15~59歳男女4031人を対象に「2025年 SNS利用者行動調査」を行った。
「SNS上で真偽不明なニュースを目にすることに対する意識」に対して、全体のおよそ半数が真偽不明なニュースを「目にしていると感じない」と回答しており、約4割が「たまに目にすると感じる」、1割強が「頻繁に目にしていると感じる」と答えた。性別による認識の違いはほとんどなかったが、世代別では違いが見られた。若年層ほど真偽不明なニュースを目にすると感じる割合が高く、10代では16%が「頻繁に目にすると感じる」、45%が「たまに目にすると感じる」と回答していた。
SNSの利用頻度が高い人ほど、偽情報や誤情報を目にしている

若年層ほど真偽不明なニュースを目にすることに対する意識が高いことが判明したが、その理由は何だろうか。SNSの利用頻度別に見てみると、どの年代においても「SNS利用は1日複数回」と回答した人の方が真偽不明なニュースや偽情報、誤情報を目にしていると感じる割合が高い傾向に。とくに20代以降は「SNS利用は1日1回以下」と回答した人に比べ、「頻繁に目にすると感じる」は10ポイント以上の差があった。
また、SNSを高頻度で利用する人においては、年代による差はあまり見られなかったが、利用頻度が低い人においては、若年層の方が真偽不明なニュースなどを目にすると感じる割合が高いことがわかった。
しかし、真偽不明な情報を「目にしていると感じない」と回答した人の中には、偽情報や誤情報を目にしている可能性があり、それに気づいていないことが想定される。SNSで目にした情報を正しいものを鵜呑みにせず、他の情報や発信元と照らし合わせつつ、あらためて確認するなどSNSの使い方をあらためて考える必要があるだろう。
出典:【モバイル社会研究所】
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