モバイル社会研究所は、2025年2月にXやInstagramといったSNS利用者を対象に「自身がSNSで誹謗中傷や喧嘩に巻き込まれる可能性」について、どの程度意識しているかを調査しました。しかし、その結果は半数以上がトラブルの可能性をあまり意識していないというものでした……。

モバイル社会研究所が、SNS利用者がトラブルに巻き込まれる可能性の意識について調査
スマホ利用者の多くは、日常的にXやInstagramといったSNSを利用していると思いますが、投稿内容によっては誹謗中傷されたり喧嘩に発展するなど、さまざまトラブルに巻き込まれる可能性があります。
そこで、モバイル社会研究所では、2025年2月にSNS利用者を対象に「自身がSNSでトラブルに遭う可能性」について、どの程度意識しているかを調査しました。
調査対象は全国・15~59歳・SNS利用者・n=4,031。このレポートにおけるSNS利用は、「X」「Instagram」「Facebook」「TikTok」のいずれかを利用している人としています。
なお、各種SNSの利用状況についてはモバイル社会白書2024年版の第2章で紹介されています。
●モバイル社会研究所「モバイル社会研究所白書2024年版(全体)」は→こちら
●モバイル社会研究所「モバイル社会研究所白書2024年版(2章 モバイルコミュニケーション)」は→こちら
■この記事のポイント
・「SNSで誹謗中傷や喧嘩に巻き込まれる可能性がある」10代の2割強
・公開での投稿や他人の発信へのコメントをよくする人でも、半数以上が「SNSで誹謗中傷や喧嘩に巻き込まれる可能性はあまりない・まったくない」と回答
【1】「SNSで誹謗中傷や喧嘩に巻き込まれる可能性がある」10代の2割強

まず、10代から50代のSNS利用者を対象に、自身がSNSで誹謗中傷や喧嘩に巻き込まれる可能性について、どの程度意識しているかを調査しました。
その結果、「巻き込まれる可能性がとてもある・ややある」と回答したのは全体の2割弱で、半数を超える人が「巻き込まれる可能性はあまりない・まったくない」と回答しました。
性別による大きな差はなく、年代別では若年層ほど「巻き込まれる可能性がある」と回答した割合が高く、10代では2割強が「可能性がとてもある・ややある」と回答しました。
「可能性があまりない・まったくない」と回答した割合については年代別で大きな差がなく、各年代で半数を超えています。
【2】公開での投稿をよくする人の半数超が「SNSで誹謗中傷や喧嘩に巻き込まれる可能性はあまりない・まったくない」と回答

次に、10代から50代のSNS利用者を対象に、自身がSNSで誹謗中傷や喧嘩に巻き込まれる可能性の意識の強さが、公開での投稿頻度と関係しているかを調査しました。
その結果、公開で投稿をする頻度が高いほど巻き込まれる可能性を意識しており、公開で投稿をよくする人では2割強、たまにする・あまりしない人の2割弱、まったくしない人の1割強が「巻き込まれる可能性がとてもある・ややある」と回答していました。
一方で、「巻き込まれる可能性はあまりない・まったくない」と回答した割合は、公開での投稿頻度によらず半数程度かそれ以上となっており、公開での投稿を高頻度でしていても、誹謗中傷や喧嘩に巻き込まれる可能性をあまり意識していない人が多くいることがわかりました。
【3】他人の発信にコメントをよくする人のうち、3割超は「巻き込まれる可能性がとてもある・ややある」、半数は「あまりない・まったくない」と回答

次に、10代から50代のSNS利用者を対象に、自身がSNSで誹謗中傷や喧嘩に巻き込まれる可能性の意識の強さが、他人の発信にコメントする頻度と関係しているかを調査しました。
その結果、コメントをよくする人の3割強が「巻き込まれる可能性がとてもある・ややある」と回答し、公開で投稿をよくする人に比べてその割合が高くなっています。
また、コメントをする頻度が高いほど巻き込まれる可能性を意識しており、コメントをまったくしない人で「可能性がとてもある・ややある」と回答したのは1割強にとどまりました。
その一方で、「巻き込まれる可能性はあまりない・まったくない」と回答した割合は、コメントの頻度によらず半数を超えており、公開での投稿と同様、誹謗中傷や喧嘩に巻き込まれる可能性をあまり意識していない人が多くいるようです。
まとめ
いかがでしょうか? 今回の調査結果で注目したいのは、コメントの頻度によらずSNSでのトラブルに「巻き込まれる可能性はあまりない・まったくない」と回答した割合が半数を超えていること。
SNSでは、投稿やコメントをした人が意図しないまま誹謗中傷や争いに巻き込まれる場合もあります。SNSを利用するときは、常にそのようなトラブルに巻き込まれる可能性を意識しながら利用したほうがいいでしょう。
出典:【モバイル社会研究所】
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