MIXIが2024年12月16日に突如リリースした新しいSNS「mixi2」。一見すると従来のmixiの後継サービスのように思えますが、実際にはXに近い短文投稿型のSNSです。
そのため、X(旧Twitter)から乗り換える形で利用を始めたユーザーも多く、リリースからわずか5日で登録者数は120万を突破しました。
今回は、「mixi2」と「X(旧Twitter)」の機能や特徴を比較し、それぞれの違いを詳しく解説します。果たして両者にはどのような機能差があるのでしょうか?
【1】 タイムラインのUIや機能差について
まず、mixi2のタイムラインでは、フォローしているアカウントやコミュニティの投稿が完全時系列で表示されます。また、「発見」タブではおすすめの投稿やユーザーが紹介されています。
この「フォローしているアカウント(+コミュニティ)」の投稿が時系列で流れるタイムラインは、Xの「おすすめ」タイムラインでは失われてしまった仕様です。
一方、Xの「おすすめ」タイムラインは、アルゴリズムに基づいてフォロー外のユーザーの投稿も表示される仕様です。そのため、時には自分と無関係な第三者の不快な投稿が目に入ることもあります。
mixi2のタイムラインは、こうした不快な投稿が流れづらい仕様になっており、平和に楽しめる点が特徴です。
【2】「トレンド」機能の有無について
Xを象徴する機能の1つに「トレンド」があります。このトレンド機能を、速報性の高いトピックの情報収集に活用している方も多いでしょう。
一方で、このトレンド機能は、いわゆる「インプレゾンビ」が多数のインプレッションを狙う場として利用されるケースも目立ちます。つまり、速報性の高いトピックをチェックするのに役立つ反面、不快な投稿が目に入りやすい場でもあります。
そして、2024年12月現在、mixi2にはトレンド機能がありません。つまり、「速報性の高いトピック」のチェックに関しては、mixi2が実用的かどうかは何とも言えない部分があります。一方で、注目を集めるために過激な言動を取ったり、虚偽の情報を拡散するユーザーが増えづらい仕様でもあります。
【3】ミュートワードやブロック機能の有無について
Xでは特定のワードを含むポストを非表示にする「ミュートワード」機能が提供されています。筆者自身も過剰に政治的なワードや、他人を攻撃する目的を持ったワードなどは多数、ミュートワードに設定しています。
このミュートはワード単位ではなく、アカウント単位で行うことも可能です。加えてさらに悪質なアカウントはブロックも可能です。そして、mixi2ではXと同様に、ユーザーの投稿をミュートにしたり、ブロックする機能が提供されています。またmixi2の独自機能として、コミュニティの投稿をミュートにすることも可能です。
そのため「不快なアカウント」「不快なコミュニティ」を対象としたブロック及びミュートに関しては、十分な機能がすでに提供されています。
一方で2024年12月現在、mixi2には「ミュートワード」を設定する機能はありません。そのため先にも述べた「過剰に政治的なキーワードをミュートする」「他人を攻撃する意図を持ったキーワードをミュートにする」といったことはできません。そのため、mixi2が仮に荒れてしまった場合には不快な投稿を目にするリスクはそれなりに高めです。ミュートワードの早期実装は強く期待されます。
【4】「コミュニティ」機能について
Xには存在しないmixi2の独自機能としては、やはり「コミュニティ」が挙げられます。
mixi2では、同じ趣味を持つ人と繋がれる「コミュニティ」機能が充実しています。旅好き、運動好き、仕事関係、投資関係など幅広いジャンルのコミュニティが存在するため、自分が興味のあるコミュニティに参加し、新しい仲間と語り合うことができます。
コミュニティの投稿はすべてタイムラインに流れてくることが特徴であり、mixi2では「コミュニティに積極的に関与し、発言するユーザー」ほど目立つ仕組みであるとも言えます。
そのため、充実したコミュニティが生まれる可能性がある反面で、コミュニティを利用して目立つことを志向する「インプレゾンビ」のような存在が生じる可能性もあるでしょう。
【5】広告表示について
Xの主な収益源は、主として法人が出稿する「X広告」と、ユーザー側を主な対象とするサブスクリプション「X Premium」です。
一方で2024年12月現在、mixi2には広告の表示はありません。ユーザー側にとっては軽量かつ快適にサービスを使いやすい一方で、mixi2がどのようなビジネスモデルでマネタイズを行うのかは要注目です。
たとえば従来のmixiは、サービス開始当初はmixi広告でのマネタイズを行ったものの、後期はSNS上で提供する「mixiゲーム」のアイテム課金が主要なマネタイズ導線となりました。
mixi2に
・運用型広告など広告商品が導入されるのか
・mixiゲームに相当するソーシャルゲームが導入されるのか
・X Premiumのようなサブスクリプションが導入されるのか
は要注目のポイントです。
【6】ユーザー側のマネタイズについて
ユーザーが自身のポストをマネタイズできる仕組みが提供されるか否か、も注目されるポイントです。
たとえばXでは「収益化プログラム」が整備されており、ユーザーは自身のポストで生じた広告収益の一部の還元を受けることができます。具体的には投稿したコンテンツのへの返信スレッド内に広告が表示されたり、広告をクリックされることなどにより、収益が発生します。
こうした収益プログラムはタイムラインを荒らす原因になる可能性がある一方で、質の高いポストを積極的に行うユーザーにとってはさらに投稿頻度を高める動機付けにもなります。
mixi2にも中期的に「品質の高いポストを行うユーザーが、その活動をマネタイズできる仕組み」が実装されるかは注目点。逆にそうしたマネタイズの仕組みが実装されない場合、ユーザーにとってコミュニティへの貢献はボランティアに近しいと言えます。性善説に基づいて運営されるコミュニティが中長期にわたって「盛り上がる場所」になるのか否かも、注目すべき点です。