JR東日本の交通系ICカード「Suica」は列車に乗れるだけでなく、ショップでの買い物やレストランでの食事などの支払いもできて、けっこう便利ですよね。でも、Suicaだけで新幹線に乗ることはできるのでしょうか?
Suicaで新幹線に乗れる! でも行先によって使うWebサイトやアプリは異なる
結論から言うと、ただSuicaを持っているだけでは新幹線には乗れませんが、Suicaと連携するいくつかのサービスを利用することで新幹線に乗ることは可能です。
しかし、路線によって利用するWebサイトやアプリが違っていたり、Suica定期券で利用できたりする場合もあって、かなり分かりにくくなっていますので、今回は、Suicaで新幹線に乗るためのサービスを紹介しましょう。
大きく分けると、下記の5つのサービスを利用することで、Suicaで新幹線に乗ることができますよ。
■新幹線に乗れるSuicaのサービス
・新幹線eチケットサービス
・スマートEX
・タッチでGo!新幹線
・新幹線を利用するSuica定期券(FREX)
・新幹線停車駅が2駅以上含まれる「Suica定期券」での利用

ネット購入した新幹線チケットをSuicaと連携させる方法は?
まず紹介するのは、JR東日本の「新幹線eチケットサービス」です。
こちらは、最初に「えきねっと」で会員登録してSuica IDを登録したうえで、チケットを購入するときに「新幹線eチケット」を選択。
次に、購入したチケットとSuicaを紐づければ、Suicaだけで新幹線に乗ることが可能です。しかも、指定席が一律200円割引きになるので、けっこうお得ですよね。
ただし、このサービスはJR東日本管轄の新幹線だけで利用できるため、東海道新幹線や九州新幹線では利用できません。ご注意ください。
●JR東日本「新幹線eチケットサービス」は→こちら

次に紹介するのはJR東海、JR西日本、JR九州が行っているサービス「スマートEX」です。
こちらは、スマートEXに会員登録とSuica IDを登録すると、Webサイトやアプリから購入した新幹線チケットとSuicaが連携され、Suicaだけで新幹線に乗ることが可能となります。
また、スマートEXはチケットレスサービスなので、スマートEXから購入したチケットはSuicaなどの交通系ICカードに自動的に連携されます。この仕組みは非常に便利ですね。
●JR東海「スマートEX」は→こちら

上記の2つのサービスは、Webサイトやアプリで購入した新幹線チケットをSuicaと連携させることで、Suicaだけで新幹線に乗れるようになるサービスです。
しかし、東西で利用するサービスが異なるので、行き先に応じて使い分けることになりますのでご注意ください。
また、東京駅をまたいで利用することはできません。たとえば、新大阪駅から仙台駅まで行こうとした場合は、スマートEXで新大阪-東京間を購入し、東京-仙台間はえきねっとの新幹線eチケットで購入することになります。
しかも、この場合は東京駅に到着したらいったん改札を出て入り直す必要があるので、乗り換え時間に余裕を持って予約しましょう。
「タッチでGo! 新幹線」は初回登録を行えば予約無しで新幹線自由席に乗れる!
JR東日本のサービス「タッチでGo!新幹線」は、なんと新幹線チケットを予約することなくSuicaだけで新幹線に乗れるサービス。
こちらは、JR東日本管轄の新幹線だけが対象ですが、ビジネスで利用する人にはかなり便利ですよね。
利用するには初回だけ登録手続きが必要となります。まず、カード型Suicaの場合はJR東日本の駅にある自動券売機にSuicaを挿入し、「チャージ」の項目にある「タッチでGO!新幹線」をタッチして「利用する」を選択すればOKです。
●JR東日本「タッチでGO!新幹線」は→こちら

モバイルSuicaの場合は「会員メニュー」→「Suica管理」→「その他の設定」へ進んで、「タッチでGO!新幹線」をオンにするだけで利用できます。
iPhoneの場合は、Suicaアプリにログインし「チケット購入 Suica管理」→「その他の設定」へ進み、「タッチでGO! 新幹線」をオンにして決定すれば完了となりますよ。

この設定さえ行っておけば、JR東日本管轄の新幹線の改札をSuicaだけで通過できます。しかし、座席指定の予約はできないため、乗車できるのは自由席になる点は注意しましょう。
また、新幹線から降りたあと、Suicaで自動改札を通ると運賃と自由席分の特急料金が引かれる点には注意が必要です。基本的に全席指定の新幹線は乗れないのですが、下記の区間では特例として、普通車指定席の空いている席を利用可能となっているんですね。
■タッチでGO!新幹線で普通車指定席を利用できる区間
・仙台~盛岡間(同区間の途中駅に停車する「はやぶさ号」「はやて号」「こまち号」のみ)
・盛岡~新青森間
・盛岡~秋田間
・福島~新庄間

条件をクリアしていればSuica定期券でも新幹線に乗れる!
最後にSuica定期券での新幹線乗車について解説します。そもそも、Suica定期券には新幹線を利用できる「Suica定期券(FREX)」が発売されており、これなら当然、新幹線に乗ることができます。
しかし、在来線利用で作ったSuicaで定期券でも、実は一定の条件をクリアしていれば新幹線に乗ることも可能となっているんですね。
●JR東日本「定期券の『新規購入』方法(通勤定期券・オフピーク定期券・グリーン定期券)」は→こちら
JR東日本のSuica定期券で新幹線に乗るには、利用区間に新幹線停車駅が2駅以上含まれ、並行在来線を利用している必要があります。
たとえば、大宮駅-東京駅間を京浜東北線で行くSuica定期券の場合は、新幹線の駅が2駅以上含まれているため、Suica定期券だけで新幹線に乗ることが可能となっています。
ただし、事前に新幹線チケットの予約ができないため利用できるのは自由席だけになります。もちろん、Suica定期券区間内の新幹線しか利用できません。
注意したいのは、Suica定期券で新幹線に乗れって改札を出るとき、特急料金が差し引かれること。そのため、Suicaのチャージ残高が1,000円以上ないと新幹線改札を入場できないので、あらかじめ十分な金額をチャージをしておきましょう。
また、Suicaエリアをまたいで利用することができないので、首都圏エリア、仙台エリア、盛岡エリア、新潟エリア、それぞれの範囲内でしか利用できない点にも注意が必要です。
●JR東日本公式サイト「新幹線停車駅が2駅以上含まれる「Suica定期券」での利用」は→こちら

まとめ
いかがでしょうか? 今回はSuicaだけで新幹線に乗れるかどうかを解説しました。
当然、ただSuicaを持っているだけは新幹線に乗れませんが、「スマートEX」か「新幹線eチケット」を利用することで、ネットで購入した新幹線チケットとSuicaを連携させれば、Suicaだけで新幹線に乗車することが可能になります。
また、新幹線駅を2駅以上含むSuica定期券なら、新幹線にSuicaだけで乗車可能できますよ。もちろん、特急料金がSuicaのチャージ残高から引かれますので、しっかりチャージしてから利用しましょう。