10代半ばから20代後半のいわゆるZ世代とのコミュニケーションや育成に悩んだことはあるだろうか。株式会社ペンマークは、全国のZ世代を対象に、Z世代の就業意識調査の一環として「やる気がなくなる上司・指導者の言動」に関するアンケート調査を学生・社会人別に実施。どのような言動がZ世代のモチベーションを低下させているのか見てみよう。

やる気を削ぐ言動1位は「なんでこんなこともできないの?」という指導者の一言

指導的な立場の人から言われて「萎える」「やる気がなくなる」と特に感じるものはどれかを尋ねると(複数回答可)、最も多かったのは「なんでそんなこともできないの?」という言葉で、学生では51.7%・社会人では48.9%だった。次いでため息や首を横に振るなどの「非言語的否定」が学生44.3%・社会人45.9%、「君には無理だよ」という言葉が学生21.0%・社会人37.1%、そのほか「やる気ある?」「期待外れだな」「だからダメなんだよ」「私の若い頃はもっと大変だった」などの言葉が同列で並んだ。学生・社会人とも能力や可能性を否定する言葉に特に敏感に反応することが読み取れる。
Z世代がストレスに感じる指導者の言動は「能力否定」が1位

指導者の立場ではマネジメントとしてつい言ってしまう言葉があるかもしれないが、例えば「なんでそんなこともできないの?」という言葉は仕事上で指導を受けているだけと捉えにくく、能力だけでなく存在そのものを否定されるように感じてしまう場合があるようだ。
特に注目すべきは、直接的な言葉だけでなく「ため息」といった非言語的な態度がモチベーションを大きく削ぐ要因として上位に挙げられたこと。この背景には、個性を尊重する教育を受けてきているZ世代が、人格と紐づいたフィードバックに対して敏感であること、指導者からの「がっかりした」というサインを自分の存在価値を揺るがす深刻なメッセージとして受け取ってしまう場合もあると考えられる。
また自身のキャリアを模索している段階のZ世代にとって、「君には無理だよ」と可能性を否定する言葉は重く受けとめる傾向にあることがうかがえる。
指導者は、従来の叱咤激励型のコミュニケーションから脱却し、具体的な行動や事実を伝えるようにすることや、失敗を恐れず挑戦できる“心理的安全性”を確保してあげることが大切なのかもしれない。
出典:【Z世代の意識調査】若手のやる気を削ぐ言動、学生・社会人ともに1位「能力否定」、2位は“言葉なき否定”「ため息」。
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