特殊詐欺やフィッシング詐欺の対策サービスを提供するトビラシステムズ株式会社は、2025年5月に同社の調査で確認された詐欺電話・詐欺SMSに関する独自調査レポートを公開。今、詐欺はどのような動きを見せているのか、手口はどのように変化しているのかについて、調査結果をもとに紹介していく。

電話やSMSによる詐欺は依然増加傾向にある

詐欺電話の調査レポートによると、種別では携帯電話の割合が増加傾向にあり、4月の3.8%増で17.7%という結果になった。一方、国際電話番号での迷惑電話は減少傾向にあるものの、現在も割合の半数を占めていることが分かる。アメリカやカナダ、国際プレミアムレート(+979)の電話番号を悪用した警察、総務省、通信事業者などを語る詐欺や、自動音声ガイダンスを使った詐欺が多発したという。

詐欺SMSの調査レポートによると、2025年5月は、フィッシング詐欺全体の47.5%を金融・決済サービスが占めており、3カ月連続で増加していることが明らかになった。次いで宅配事業者を名乗る手口も僅差で2位となり、この2種がフィッシング詐欺の大半を占めていることが分かる。

2025年4月に続き、実在する企業やブランドを語る詐欺SMSも増加傾向。なかでも「Mastercard」をかたるSMSが1カ月を通して多数発生していることが明らかになった。
若者も引っかかるオレオレ詐欺の手法とは

これまでのオレオレ詐欺は、高齢者を狙って親族を装った詐欺手法が一般的であった。しかし近年、警官を語り、ニセの警察手帳まで用意したオレオレ詐欺が急増していることが判明。詐欺のターゲットは日常的にスマホを触る20~30代の若年層で、捜査の名目で現金をだまし取る手法が横行しているという。被害者の推移を見てみると、高齢者の被害は減少傾向にあるものの、65歳未満の被害者が急増していることがわかる。65歳未満のうち、半数以上は20~30代の若年層だという。「不正利用がある」「捜査に協力しないと逮捕する」といった、若者の恐怖心や不安をあおって指示に従わせる手口が横行している。
警察官を装うオレオレ詐欺では、電話からメッセージアプリに誘導され、ニセの逮捕状や警察手帳の画像が送られてくる場合があるという。また、生成AIで映像加工を行うといった巧妙な手口もあるため、注意が必要だ。
「自分は若いから引っかかるわけがない」と安心していると、思いもよらぬ手口で足元をすくわれるかもしれない。金銭面や個人情報を要求してくるものには、老若男女問わず常に警戒しなければならないといえるだろう。
出典:【トビラシステムズ株式会社】
※サムネイル画像は(Image:「トビラシステムズ株式会社」プレスリリースより引用)