職場でこの業務は必要なのかと思うことはないだろうか。株式会社ライズ・スクウェアの調査によると、約9割が「職場でムダだと思う業務がある」と回答した。無駄だと思う業務に対しても「業務の見直し」、「効率化」の余地があると考えられるが、多くの人が感じる職場での無駄だと思う業務は何だろうか。「職場でムダだと思う業務に関する意識調査」を詳しく見ていこう。

職場でムダだと思う業務の1位は「朝礼への参加」

株式会社ライズ・スクウェアは、2025年6月21日~23日にビジネスパーソン500人を対象に「職場でムダだと思う業務に関する意識調査」をインターネット調査で実施した。はじめに「職場にムダだと思う業務があるか」と尋ねたところ、「多くある(38.6%)」「少しある(56.2%)」をあわせて94.8%の人が「職場にムダだと思う業務がある」と回答した。

次に「職場でムダだと思う業務」を尋ねると、一番多かった回答は「朝礼への参加(20.0%)」だった。次いで、「意味のない会議(17.2%)」、「必要性の低い資料作成(16.0%)」、「紙資料の配布(9.0%)」、「手書き資料の作成(4.2%)」、「意味のない報告(3.8%)」、「お茶出し(2.8%)」だった。最も多かった「朝礼への参加」と回答した人の中には「周知するツールはあるのに、わざわざ集まって朝礼して同じことを伝えるから」という意見も。このように形式的な業務や非効率的に感じる業務に対して無駄だと感じることが多いようだ。
無駄な業務がなくならないのは慣習や上層部の考えが影響

次に、「ムダだと思う業務がなくならないのはなぜだと思うか」と尋ねると、最も多かった回答は「習慣化している(23.0%)」だった。次に「上層部の考えである(22.6%)」と続いた。
「習慣化している」と回答した人からは「『これまでずっとやってきたから』という慣習。現場の効率よりも形式を重視する文化が根強く残っている」という声があがった。無駄な業務だと感じても、長年続いてきた業務を変える判断ができず、見直されないようだ。また、「上層部の考えである」と回答した人からは「上司が紙で確認することに慣れており、紙のほうがミスも減るという考えだから」、「『顔を見ないと仕事ができない』という古い考えの人間がトップにいるから」という意見が寄せられた。上層部が「慣れていることを変えたくない」などとムダを正当化している場合は、業務改善を行うのは難しいだろう。無駄な業務がなくならないのは、慣習や組織内のパワーバランスが影響しているようだ。
調査結果から多くのビジネスパーソンが、職場での業務に無駄があると感じていることがわかった。一方で、無駄な業務の存在は、効率を高めるためのヒントにもなり得る。職場のマネージャーなど管理職の立場にある人は、その業務がなぜ必要なのかを自分自身で考え、社内の理解や業務改善を進めることが必要だろう。今一度、業務の目的を改めて考える時間を作ってみてはどうだろうか。
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