携帯電話のセキュリティ対策が向上し続けていても、反面、巧妙化し続ける“詐欺電話”の手口。2025年10月に行われた迷惑・詐欺電話に関する調査レポートでは、公的機関を名乗る「ニセ警察詐欺」で携帯番号が多く悪用されるなどの被害が相次いでいる。昨今の迷惑電話の傾向や、その背景にある詐欺手口について詳しく見ていこう。
携帯番号の悪用で警戒心を薄める詐欺手口が横行中？
トビラシステムズは、2025年10月に行った「詐欺電話や詐欺SMSに関する独自調査レポート」を公開した。
2025年10月に新たにトビラシステムズの迷惑電話番号データベースに登録された番号の種別を見ると、国際電話番号が61.2%と全体の半数以上を占めたものの、前月比では4.4%減少した。一方で、携帯電話番号は23.1%（前月比＋11%）へと増加した。このことから、詐欺グループが携帯番号を積極的に使い始めていることが読み取れる。携帯番号は発信元を特定されにくく、個人の電話に見えて警戒されにくい。さらに使い捨ても容易で、詐欺グループに悪用されやすい。特定IP電話番号（050番号）、固定電話番号の割合は横ばい傾向で推移していることから、国際電話への警戒が高まった代わりに携帯番号を悪用することで、「発信元の見せ方」を変える動きが進んでいるようだ。
携帯電話を発信元とする詐欺手口によって横行する「ニセ警察詐欺」
携帯番号を発信元とする詐欺の増加のなかでも、警察官を名乗る“ニセ警察詐欺”が特に増えている。2025年10月の「ニセ警察詐欺」に利用される電話番号の数を調査した結果では、前月9月から約2.7倍に増加した。「ニセ警察詐欺」は、被害者に「事件に関わっている」「口座が危険」「捜査で協力が必要」などと不安を与え、現金・キャッシュカード・個人情報をだまし取ることを目的としている。「警察」という肩書きにより信用してしまいやすいことや、不安をあおる話法で冷静さを失わせることで、被害につながりやすい手口だが、携帯電話番号を発信元とする着信がかかってくることで、より信じてしまいやすい状態が作られる。対策としては、警察が電話で暗証番号を聞いたり、キャッシュカードを回収することは“絶対にない”と理解しておく必要がある。
日々、巧妙化する詐欺に対抗するには、今回のような最新動向を知り、情報を常に更新していくことが欠かせない。また、少しでも不審に感じたら立ち止まることが、被害を防ぐための最も有効な手段ということを改めて覚えておこう。
出典:【トビラシステムズ株式会社】
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