インターネットが広く普及し、多くの手続きや業務でパソコンの利用が欠かせない現在、どの世代でもインターネットトラブルに遭遇するリスクをはらんでいる。そこで今回、モバイル社会研究所は2025年1月に訪問留置法(調査員が訪問し、調査を承諾した人に紙の質問票を配布し、後日回収する方法)を用いて、60歳~84歳の1,300人を対象としたインターネット上のトラブル経験についての調査を実施。シニア世代のトラブル経験率や、どんな人が遭遇しているかなどが明らかになった。

インターネットトラブルの経験者は男性に多い?

今回の調査結果から、シニア世代がインターネット上でトラブルを経験した割合を確認すると、全体で9.6%もの人が経験していることが明らかになった。性年代別に見てみたところ、男性は60~80代前半でどの年代も、女性より大幅に割合が高いことが判明した。一方、女性はどの年代でも10%を下回っており、性別で大きく差があることが分かる。男女どちらも60代での割合が高く、70代から割合が大きく下がっていることがうかがえる。

実際、どのようなトラブルを経験したかについて回答結果を見ると、「詐欺サイトに騙されそうになった、騙された」が64%と圧倒的に多い結果となった。
そのほかにも「アカウントが乗っ取られた」「他人が自分に成りすました」「自分の発言で他人を傷つけた」「ネット上で他人と言い合いになった」「自分の発言に対して複数の人から批判的な書き込みをされた」「自分の個人情報を他人に公開された」などさまざまあるが、やはりフィッシングなどで詐欺サイトに引っかかってしまうケースがかなり多いと言えるだろう。
インターネットの長時間利用トラブルに起因?

今回の調査結果から、インターネット利用時間とトラブル経験の関係(性年代別)について回答を見てみると、男性は「4時間以上」が28.9%と非常に多く、「2~4時間未満」が17.5%、「1~2時間未満」が15%と割合が高かった。対して女性は「4時間以上」が16.7%と男性より10%以上低く、「2~4時間未満」「1~2時間未満」も男性より大幅に低かった。男性のインターネット利用率が高いことも影響している可能性はあるが、長時間インターネットを利用することでトラブルに遭遇する機会は必然的に増えていると言えるだろう。
調査結果から、シニア世代のインターネットトラブルは10人に1人が経験していると明らかになった。デジタルネイティブの世代ではない分、よりインターネットの扱いに慎重になる必要があるのではないだろうか。
出典:【モバイル社会研究所】
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