元旦に「初日の出」を見に行く人も多いでしょう。首都圏では大晦日から元旦にかけて終夜運転や臨時列車が設定されることも多く、初日の出を見に行きやすい環境にあります。そこで今回は、乗り鉄の筆者が今からでも間に合う「初日の出におすすめの列車」を紹介します。

【1】特急「外房初日の出」で新宿から千葉へ!
最初におすすめしたいのが、JR新宿駅を午前3時20分に出発する特急「外房初日の出」。5時55分には終点の千葉県・JR千倉駅に到着するため、初日の出(目安:6時51分ごろ)にも十分間に合います。
特急「外房初日の出」は、新宿駅から中央線、総武本線、内房線を経由して千倉駅まで運行される列車で、千倉駅を終着駅とする珍しい設定。また、使用車両は5両編成のE257系ですが、これは特急「踊り子」などでもおなじみですよね。
千倉駅から海岸までは1キロほど離れており徒歩で20分ほどかかるものの、海岸線から昇る初日の出をきれいに眺めることができます。
ただし、「外房初日の出」は全席指定の特急列車のため事前予約が欠かせません。また、「青春18きっぷ」では乗車できない点にも注意が必要ですね。
●JR東日本「冬の臨時列車の運転について」は→こちら(PDF)

【2】もっとも早く初日の出を見られる銚子へは「犬吠初日の出1号・3号」がおすすめ
首都圏で初日の出が早いスポットとして知られるのが「犬吠埼」のある銚子です。
そのため、元旦にはJR銚子駅へ向かう特急「犬吠初日の出1号」と「犬吠初日の出3号」が設定されており、車両はいずれもE257系になります。
1号と3号は両方とも日の出前に銚子駅へ到着しますが、出発駅や経由路線、時刻がそれぞれ異なるため予約の際は注意が必要です。
まず、特急「犬吠初日の出1号」はJR高尾駅を1時30分に出発し、4時8分に銚子駅へ到着。中央線、総武本線、成田線を経由し、成田駅から銚子駅へ向かいます。
一方、特急「犬吠初日の出3号」はJR大宮駅を2時15分に出発し、5時5分に銚子駅に到着します。埼京線を経由して新宿を通り、その後は1号と同じルートをたどります。もし、1号が満席でも3号を選べる場合があるのも便利なポイントですね。
銚子駅から犬吠埼へは銚子電鉄への乗り換えが便利で、特急列車の到着に合わせて犬吠埼方面行きの列車が運行されます。
ちなみに、銚子電鉄ではSuicaやPASMOが利用できないため、乗り換え時のきっぷ購入に少し時間がかかる場合がある点は押さえておきましょう。

【3】「富士回遊85号」で縁起のいい富士山と初日の出を拝む!
「初日の出を見るならやっぱり富士山でしょ!」という人におすすめなのが、「富士初日の出号」の愛称でも知られる特急「富士回遊85号」。
富士回遊号で通常使用される車両はE353系ですが、初日の出号ではE257系車両が使用されるため、非常にレアな編成です。
特急「富士回遊85号」はJR新宿駅を4時13分に出発し、富士山麓の河口湖駅に6時17分に到着します。駅周辺からでも富士山を望むことができますが、おすすめは河口湖駅から徒歩約15分の場所にある「富士山パノラマロープウェイ」。
もちろん、富士山パノラマロープウェイの元日の営業は初日の出に合わせて早朝7時から臨時営業する予定です。
●富士山パノラマロープウェイ公式サイトは→こちら

【4】青梅線の快速「武蔵御嶽神社初日の出号」で武蔵御嶽神社から初日の出!
山からの景色が美しい神社として知られる青梅市の「武蔵御嶽神社」。ここへ日の出前に到着できるのが、青梅線の快速「武蔵御嶽神社初日の出号」。使用車両は、中央線でおなじみのE233系です。
快速「武蔵御嶽神社初日の出号」は、JR立川駅とJR御嶽駅を結ぶ列車で、立川駅発は2時15分と3時59分の2本が設定されています。全席自由席の快速列車で、こちらは青春18きっぷでの利用もOK!
御嶽駅からはバスで御岳登山鉄道へ向かい、ケーブルカーを利用して武蔵御嶽神社へアクセスできます。元日は終夜運転が行われるため、長距離を歩く必要はありません。
ただし、武蔵御嶽神社の初日の出は多くの参拝客で大変混雑するほか、山頂は冷え込みが厳しくなります。混雑対策や防寒対策は万全にして出かけましょう。

【5】東京モノレールは「初日の出フライト」に合わせた臨時列車を運行
元旦には各航空会社が「初日の出フライト」を運航することから、羽田空港へのアクセスを担う東京モノレールでも臨時列車が設定されます。
そのため、元日は浜松町駅を3時55分発、4時30分発の2本が運行予定です。
もちろん、この臨時列車は初日の出フライトに搭乗しない人でも利用可能で、眺めの良い羽田空港から初日の出を楽しむこともできます。
なお、東京モノレールは2025年11月1日から“東京パノラマライン”という愛称になっています。今後、この愛称が定着するのか注目したいところですね。
●東京モノレール「東京パノラマライン年末年始期間のダイヤについてのお知らせ(PDF)」は→こちら

【6】京浜急行は臨時特急列車「初日号」で久里浜や三浦海岸へ
京浜急行電鉄は元旦の終夜運転はありませんが、終電の繰り下げと始発の繰り上げが実施されます。
終電は神奈川新町駅を24時34分に出発し、終点の京急久里浜駅には25時36分に到着します。この時間は通常ダイヤよりも約40分遅い設定になります。
また、始発時間帯には臨時特急「初日号」が品川駅を4時57分に出発し、三浦海岸駅には6時10分に到着します。この列車を利用すれば、久里浜海岸や三浦海岸で初日の出を楽しむことができるでしょう。
●京急「年末年始の特別ダイヤについて」は→こちら

【7】京王線は高尾山口まで「京王ライナー迎春号」を深夜から運行!
新宿と高尾山口を結ぶ京王線では、元日の深夜から「京王ライナー迎春号」が運行されます。
この「京王ライナー迎春号」は新宿駅と高尾山口駅を結ぶ座席指定制のライナー列車で、府中駅まで乗車する場合は、座席指定券(410円)が必要です。
新宿駅発は深夜1時、2時、2時50分、4時5分の計4本です。所要時間は約50分と短く、高尾山へのアクセスの良さが魅力ですよ。
また、新宿駅-高尾山口駅間では各駅停車もおおむね60分間隔で運行されており、沿線からでも初日の出登山に向かいやすくなっています。
●京王電鉄「京王ライナー迎春号(PDF)」は→こちら

【おまけ】広島「厳島神社」は終夜運転で深夜から行ける!
首都圏以外で注目したいのが、広島県の「厳島神社」。年末年始には深夜帯も運行があり、日の出前から参拝できます。
JR広島駅-宮島口駅までは深夜1時から4時までの間、1時間に1本の普通列車が運行されています。さらに、JR西日本宮島フェリーも終夜運転を実施しているので、乗り継ぎもスムーズ。
しかも、この終夜運転は1月1日から3日までの3日間実施されます。大晦日から元日にかけて終夜運転を行うことが多い首都圏の列車と比べると、広島エリアの手厚さが際立ちますね。

まとめ
いかがでしょうか? 今回は首都圏を中心に初日の出が楽しめるおすすめ列車を紹介しました。
かつて、首都圏では年末年始の終夜運転が当たり前でしたが、コロナ禍以降は都営地下鉄や小田急線などでは終夜運転が実施されなくなりました。
それでもJR東日本では、中央線や総武本線、成田線、山手線、横須賀線など、広い範囲で終夜運転や臨時列車が設定されています。そのため、初日の出を見に行くハードルは意外と高くありません。
2026年の元旦は、電車に揺られながらどこか特別な場所で初日の出を拝んでみてはいかがでしょうか。

※サムネイル画像(Image:「photoAC」より)



