フリマアプリの利用拡大に伴い、個人間取引におけるトラブルが急増している。特に問題になっているのが、返品に応じた出品者に対し、空箱や異なる商品が返送される「返品詐欺」や「すり替え被害」だ。フリマアプリ運営会社はサポート体制の強化を急ぐが、現状では十分な対策がとれていないようだ。このような状況下で、フリマアプリの利用者は取引に不安を感じるのではないだろうか。
「フリマアプリの不安に関する実態」を明らかにするため、マーケットプレイス事業を展開するベルベットジャパンの調査結果をみてみよう。
フリマアプリの個人間取引、利用者の7割以上は「不安を感じる」と回答
アンケートは2024年12月18日、フリマアプリの利用経験がある10代から60代の男女363人を対象に、インターネット調査で実施された。「フリマアプリでの個人間取引に対して不安を感じるか」と質問したところ、「とても不安を感じる」と回答した人が13.2%、「ある程度不安を感じる」が59.0%だった。合計すると、72.2%の利用者が個人間の取引に対して何らかの不安を感じていることが明らかになった。
一方で、「不安をあまり感じない」「全く不安を感じない」と回答した人は27.8%に留まることから、フリマアプリの利用者は一定のリスクを前提として取引を行っていると考えられる。
では、具体的にどんな不安を感じているのだろうか。
フリマアプリ利用時の不安要因、1位は「返品トラブルのリスク」
続いて、「フリマアプリ利用時における不安要因」について質問した(複数回答可)。すると、最も多かった回答は「返品トラブルのリスク」(59.0%)で、次いで多かったのは「取引相手が個人であること」(45.2%)だった。
「返品トラブルのリスク」に関しては、フリマアプリ利用時における返品詐欺の被害がメディアに取り上げられたこともあり、約6割が不安を抱えていた。また、半数近くの利用者にとって、個人間取引特有の「相手の顔が見えない」ことも不安要素となっていることが判明した。
ほかにも、約3割が「運営サポートの対応」(29.8%)と回答したことから、トラブル時に自身で説明や交渉ができるのか、また運営側が十分なサポートをしてくれるのか、などを懸念している人が一定数いることが明らかになった。実際にXでは、運営サポートに返品詐欺の被害を訴えたものの、購入者の主張が通り、泣き寝入りした人の投稿が話題になった。
フリマサイト大手のメルカリは、「サポート体制の強化」や「補償の拡大」を推進するとともに、「不正利用者の排除」をするため、今後AIシステムやアカウント通報機能の強化を予定していると発表(2024年11月25日、プレスリリース)。しかし、現状の施策では返品詐欺対策として十分だとは言い難い。利用者側で、ある程度自衛をした方がよいだろう。
有効な対策として、たとえばすり替え防止タグを利用するほか、商品購入時のレシートや納品書、シリアルナンバーが入った撮影日時がわかる写真など、本物と証明できる証拠を保存しておく方法がある。徹底したい人は、「商品を梱包するまで、すべて動画に撮る」というやり方もおすすめだ。ひと手間かかるが、返品トラブルのリスクが気になる人は、試してみてもいいかもしれない。
出典元:【ベルベットジャパン株式会社】
参照元:【株式会社メルカリ「メルカリの安心安全に関する体制強化と新たな補償方針による対応の開始について」】
参照元:【ラクマ公式ガイド集「すり替え防止タグとは」】