
「まだ使ってないの?」がリアルになった日
周囲の会話で「ChatGPTに聞いたら」「Geminiでまとめた」といったフレーズを耳にする機会、増えていませんか。なんとなく気にはなるけれど、「自分には関係ない」「どれを使えばいいかわからない」と距離を置いてきた方も少なくないはずです。
しかし、2026年2月20日にICT総研が公表した最新の利用動向調査が示した数字は、かなりインパクトのあるものでした。ネットユーザーの54.7%が、直近1年以内に何らかの生成AIサービスを利用している——つまり、「使っていない人」のほうが少数派になりつつあるのです。前回調査の29.0%から約26ポイントもの急上昇。もはや生成AIは、ガジェット好きだけのツールではなくなっています。

この記事では、調査結果を読み解きながら「結局、どのサービスを選べばいいのか」「今からでも遅くないのか」という疑問にお答えしていきます。
利用者数は年末3,553万人へ:「年500万人ペース」で広がる生成AI

まず、市場全体の規模感から見ていきましょう。同調査によると、国内の生成AIサービス利用者数は2026年末に3,553万人に達する見込みです。さらに2027年末に約4,097万人、2029年末には5,160万人と、毎年500〜600万人規模で増え続けるとの予測が出ています。
注目すべきは、前回調査からの上方修正です。2024年末の推計が+218万人、2026年末が+378万人と、予測のたびに数字が引き上げられています。これは、当初「ちょっと試して離脱する」と想定されていた層の一部が、そのまま定着しているためと考えられます。
背景にあるのは「利用シーンの拡大」です。かつてはプログラミングの補助やチャットでの暇つぶしが中心でしたが、今では旅行プランの作成、料理レシピの提案、仕事のメール下書き、さらには画像・動画の生成まで、生活のあらゆる場面に生成AIが入り込んでいます。「何に使えるかわからない」から「何にでも使える」へ、認識が変わったことが成長の原動力です。
ChatGPT・Gemini・Copilot——”三つ巴”時代のサービス選び

利用率トップ3の勢力図
サービス別の利用率では、依然としてChatGPT(36.2%)がトップ。しかしその差は以前ほど圧倒的ではありません。GoogleのGemini(25.0%)が猛追し、Microsoft Copilot(13.3%)も存在感を増しています。
(ここに画像挿入:[ChatGPT 36.2%、Gemini 25.0%、Copilot 13.3%を示す棒グラフまたは円グラフ])
前回調査と比較すると、ChatGPTは+18.9ポイント、Geminiは+16.1ポイントと大幅増。とりわけGeminiは前回の8.9%から約2.8倍に急伸しました。Google検索との統合や、GmailやGoogleドキュメントとの連携が評価されているようです。ふだんGoogleのサービスを中心に使っている方にとっては、最も「手が届きやすい」AIだったわけです。
一方、Claude(Anthropic)は4.3%、Perplexityは4.0%と、テック感度の高い層を中心に一定の支持を集めています。今後は「ChatGPT一強」から複数の大手サービスが併存する構造への移行が進みそうです。
結局どれを使えばいい?——3大サービスの使い分けポイント
ここが読者の皆さんが最も知りたいところでしょう。調査データと各サービスの特性を踏まえて、使い分けの目安を整理してみます。
ChatGPT(OpenAI) — 汎用性の王者。文章作成、翻訳、ブレインストーミング、コード生成まで幅広く高品質。「何でもこなせる一台目」として最適です。動画生成サービスのSoraとの連携も強みになりつつあります。
Gemini(Google) — Google系サービスとの親和性が最大の武器。GmailやGoogleスプレッドシートを日常的に使う方は、追加の手間なくAIを活用できます。検索結果との連動も自然で、「調べもの」の延長で使い始められるのが魅力です。
Microsoft Copilot — WordやExcel、Teamsなど、Microsoft 365を業務で使っている方には最も相性が良い選択肢。「仕事の生産性を上げたい」が最優先なら有力候補です。
つまり、「自分がふだん使っている環境に一番近いもの」が最初の一歩としてはベストです。無理に全サービスを試す必要はありません。
満足度は横並び——だからこそ「使い続けやすさ」で選ぶ

利用者満足度のランキングも興味深い結果でした。100点満点換算でCanva AI(76.6点)が1位、ChatGPT(76.2点)が2位、Perplexity(76.0点)が3位。以下、Gemini(75.9点)、Claude(75.3点)と続きます。
ここで大事なのは、1位と5位の差がわずか1.3ポイントしかないという事実です。つまり、どのサービスを選んでも満足度に大きな差は出にくい。裏を返せば、「どれを選んでもハズレはない」時代に入ったとも言えます。
Canva AIがトップに立ったのは、デザインツールとしての完成度の高さが効いています。「AIでバナーやプレゼン資料がサクッと作れる」という体験は、クリエイティブ作業に不慣れな方ほど感動が大きいのでしょう。
(ここに画像挿入:[主要生成AIサービスの満足度スコア比較表(76.6〜70.8の範囲)])
「毎日使う人」が4割超——AI依存は始まっている?

調査でもう一つ見逃せないのが、利用頻度のデータです。「ほぼ毎日利用」の割合が最も高かったのはGenspark(41.5%)とSora(41.3%)。ChatGPTは28.8%、Geminiは27.6%でした。
「週に数回以上」まで含めると、主要サービスの多くで利用者の7割前後が週次以上で使っている計算になります。これはもはや「たまに試す」レベルではなく、生活の一部として定着している状態です。
興味深いのは、ChatGPTの「週数回以上」利用率が62.8%と、Gemini(71.6%)やClaude(70.4%)より低い点です。ChatGPTは利用者の裾野が最も広い分、「登録はしたけど頻繁には使わない」ライトユーザーも多く含まれていると推測できます。一方、GeminiやClaudeは「使い始めた人がしっかりハマっている」傾向が読み取れます。
調査では、週次以上の利用者ほど「業務や日常でAIが重要な存在」と感じている割合が高いことも報告されています。便利だから使う、使うからさらに手放せなくなる——この循環が、すでに数千万人規模で回り始めているのです。
「今から始めても遅くない」が、早いほど差がつく
今回の調査結果を一言でまとめるなら、「生成AIは”一部の人のもの”から”みんなのもの”になった」ということです。利用経験率が半数を超えた今、AIを使いこなせるかどうかは、仕事や日常の効率に直結する「基礎スキル」になりつつあります。
まだ使ったことがない方は、まずは自分のスマホやPCにすでに入っているサービスから始めてみてください。AndroidスマホならGemini、WindowsPCならCopilot、iPhoneならChatGPTアプリ。最初は「明日の天気を聞く」「夕飯の献立を考えてもらう」といった小さなことで十分です。
すでに使っている方は、2つ目のサービスを試してみるのがおすすめです。調査が示すように、サービスごとに得意分野が異なります。メインとサブを使い分けることで、AIの恩恵をさらに広げられるはずです。
2029年に5,000万人超——その未来は、もうすぐそこまで来ています。
出典:【株式会社ICT総研:2026年2月 生成AIサービス利用動向に関する調査】
※サムネイル画像がスマホライフPLUS編集部が作成しています。



