AIツールの急速な普及により、多くの企業で業務効率化やイノベーション推進のために生成AIが活用されているだろう。特に公開後5日間で100万人の利用者を突破し注目を集めたChatGPTは、企画書作成や文章校正、データ分析など、日常業務に広く取り入れられているようだ。しかし、その一方で出力内容の正確性やセキュリティリスクの懸念は払拭できていない。人々はChatGPTをどのように活用し、その出力情報をどの程度信頼しているのだろうか。
ChatGPTを活用している業務は、文章の作成・要約・校正がトップ
![9割がChatGPTを信頼!業務での活用状況と浮かび上がる課題とは?【NSSスマートコンサルティング調べ】の画像1](/wp-content/uploads/2025/01/pho001-43.jpg)
NSSスマートコンサルティングが2025年1月に1030人を対象に実施した調査によると、ChatGPTを業務で活用している会社員の約半数が、「文章の作成・要約・校正」(49.8%)に利用していることが明らかになった。次いで「情報検索」(48.4%)、「情報処理・データ分析」(42.2%)と続き、幅広い業務で活用されている。活用頻度については、「週に3〜4日程度」(31.0%)が最も多く、「週に1〜2日程度」(27.4%)、「ほとんど毎日」(21.4%)と続いた。約8割の利用者が日常的にChatGPTを業務に取り入れており、業務へのAI活用が普及していると言える。
![9割がChatGPTを信頼!業務での活用状況と浮かび上がる課題とは?【NSSスマートコンサルティング調べ】の画像2](/wp-content/uploads/2025/01/pho002-43.jpg)
ChatGPT活用のメリットとして、「作業スピードの向上」(56.0%)が最も多く挙げられた。続いて「アイデアの質の向上」(40.8%)や「新しい視点・発想の獲得」(40.0%)が挙げられ、業務効率化だけでなく創造性の向上にも役立てている人が多い。一方で、課題も浮き彫りになっており、「情報の正確性が不明で結果的に手間が増えた」(37.1%)という回答や、「ChatGPTへの依存によるスキル低下」(34.6%)、「情報漏洩リスクへの懸念」(27.4%)を不安視している人が多い。ChatGPTの活用が業務に大きな変革をもたらす一方で、その利用には慎重な姿勢が求められる。
ChatGPTの信頼性と今後の課題
![9割がChatGPTを信頼!業務での活用状況と浮かび上がる課題とは?【NSSスマートコンサルティング調べ】の画像3](/wp-content/uploads/2025/01/pho003-38.jpg)
調査では、ChatGPTの出力情報に対する信頼度も明らかになっている。約9割の利用者が出力情報を信用していると回答し、その内訳は「とても信用している」(16.8%)と「ある程度信用している」(69.9%)。
![9割がChatGPTを信頼!業務での活用状況と浮かび上がる課題とは?【NSSスマートコンサルティング調べ】の画像4](/wp-content/uploads/2025/01/pho004-25.jpg)
しかし、これだけ高い信頼度である一方で、多くの利用者が出力情報の確認作業を行っていることも判明した。「ほぼすべて確認している」(23.7%)または「正確性が不安な情報のみ確認している」(63.0%)と回答した利用者が8割以上を占め、信用していても自分で確認しないと気が済まないという人が多いことが分かる。「信頼できる情報源との照合」(41.6%)や「異なる質問方法での再確認」(39.1%)といった確認方法が使われており、ChatGPTの便利さを認識しつつも、その出力情報を鵜呑みにせず、適切な確認プロセスを経て活用していることを示している。
![9割がChatGPTを信頼!業務での活用状況と浮かび上がる課題とは?【NSSスマートコンサルティング調べ】の画像5](/wp-content/uploads/2025/01/pho005-13.jpg)
今後のAI活用における課題として、「セキュリティやプライバシー保護の強化」(48.0%)が最も多く挙げられた。また「情報の正確性の向上」(41.7%)や「出力結果の検証プロセスの確立」(37.2%)も、活用が広まるかどうかのポイントとなりそうだ。これらの課題に対応することが、より安全で効果的なAIツールの活用につながり、ひいては業務の質や企業への信頼向上につながる。情報の正確性確認やセキュリティ対策を適切に行いながら、AIの利点を活かしていくことが、今後、ビジネス拡大のキモとなるかもしれない。
出典元:【NSSスマートコンサルティング株式会社】
※サムネイル画像(Image:miss.cabul / Shutterstock.com)