iPhone/Androidスマホやキャッシュレス決済、SNS、アプリに関する情報サイト スマホライフPLUS
スマホライフPLUS > パソコン・ITニュース > 中国製EVとカーナビが日本に? 拡大する中国ITの影響とは
New

中国製EVとカーナビが日本に? 拡大する中国ITの影響とは

中国のカーナビや自動車が日本上陸?中国のIT・クルマ事情が日本に与える影響1
(画像は「BYD」公式サイトより引用)
この記事の画像(5枚)

中国の自動車大手『BYD』が2026年をめどに、日本専用の軽EVを日本市場に投入することを発表しました。価格の目安は250万円ほどとみられており、価格競争力において国内市場で存在感を発揮すると見られています。同社がすでに投下しているEV『ドルフィン』はデザインや機能において一定の定評を得ていることもあり、2026年以降に中国製自動車およびその周辺機器が一世を風靡する可能性があります。

そこで今回は中国のカーナビや衛星測位システム、自動運転や車両間通信の技術の進歩やこうしたコネクテッドカーの日本上陸の可能性について詳しく見ていきましょう。

中国のカーナビや自動車の現在

中国の自動車およびカーナビゲーションシステムの進化は、近年注目すべきトレンドであり、特に独自の衛星測位システム「北斗(Beidou)」の完成や「車路協同(vehicle-road collaboration)」の推進により、大きな変化が見られます。

中国のカーナビ事情と衛星測位システム「北斗(Beidou)」の現状

中国のカーナビ事情と衛星測位システム「北斗(Beidou)」の存在1
(画像は「photoAC」より)

「北斗(Beidou)」は中国版GPSとも称される衛星測位システムで、センチメートルレベルの高精度測位サービスを提供可能。そして「北斗」はカーナビゲーションシステムにも応用が可能です。

なお中国国内のカーナビは、厳密に言えばディスプレイオーディオが主流。日本のカーナビのように組み込み型のマップを定期的に有償で更新するものではなく、地図検索アプリを使用する形式が一般的です。

中国の地図検索サービスの大手には『千尋位置』『高徳地図』などが挙げられますが、これらの地図サービスはすでに「北斗」を採用。世界の230の国や地域をカバーしています。

つまり中国版GPS「北斗」は中国国内のナビゲーションに限定されることなく、グローバルで利用可能。そして中国製のディスプレイオーディオの普及が、中国車の輸出に伴ってグローバルで大きく進むと「北斗」に基づくナビゲーションの存在感が高まる可能性もあるでしょう。

BYD『天神之眼』

BYD『天神之眼』1
(画像は「BYD」公式サイトより引用)

冒頭でも言及した中国大手のBYDは『天神之眼』と呼ばれる運転支援システムでも知られています。『天神之眼』はBYDのADAS(先進運転支援システム)であり、このシステムには自動運転も含まれます。そして『天神之眼』はBYDの高価格帯のモデルに搭載済みであり、今後は価格帯を問わず、低価格モデルにもシステムが搭載されます。

BYDが日本向けに大規模に展開するとみられる軽EVは「日本専用」であり、『天神之眼』を搭載した中国国内のモデルがそのまま日本に上陸することはないと考えられます。一方で中国の自動車業界が、高度な衛星測位システムに基づいたナビゲーションも、先進運転支援システムもすでに実現済みであることは注目に値します。なおタイなど東南アジアでは中国の自動車が技術的な信頼も得て、シェアを拡大しています。

中国の自動車が日本国内でシェアを拡大すると、関連する衛星測位システムやナビゲーションシステム、マップアプリ、運転支援システムといったジャンルでも中国のシェアが高まる可能性を秘めているかもしれません。

スマートフォンと自動車の関係性

スマートフォンと自動車の関係性1
(画像は「Xiaomi」公式サイトより引用)

なお、先にも述べた自動運転や高度な運転支援、ナビゲーションの実現には前提として「OS」が欠かせません。中国ではすでに「スマホで操作するEV」が夢ではない存在になりつつあり、たとえばシャオミはすでにEV『SU7』を発売しています。ハイエンドモデルに相当するSU7 Ultraは約1,100万円という価格帯ながら、予約が殺到しています。

こうしたトレンドの背景には、中国では「市街地での運転をハンズフリーで実現できるレベルの自動運転」が自動車業界の競争軸になり始めていることが挙げられます。つまりナビゲーションシステムや衛星測位システム、車両間通信など「IT」が自動車業界でも重要度を増しているということです。

存在感を増す『Harmony OS』

存在感を増す『Harmony OS』1
(画像は「HUAWEI」公式サイトより引用)

このように従来のスマートフォンメーカーなどが中国国内でEVに参入する中、存在感が増しているのが基幹OSとしてのファーウェイ『Harmony OS』です。

たとえばトヨタは中国国内向けのEVのOSとして『Harmony OS』の導入を発表済み。中国向けのフラッグシップセダンに『Harmony OS』を搭載するとみられており、Huawei ADS(先進運転支援システム)も搭載する可能性が報じられています。

Harmony OSは中国製家電のIoTで用いられるOSとしても存在感を増している他、iOS/Androidに次ぐ第3のスマホOSとしても拡大。国内でもいわゆる「中華スマホ」のOSとしてHarmony OS搭載端末はじわじわと流通が拡大しています。BYDなど中国車が2026年以降、国内でも勢いを増すと見られる中で、中国向けにトヨタなど日本メーカーが開発する車が逆輸入される形で『Harmony OS搭載の日本車』が広がる可能性もあります。

※サムネイル画像(Image:TY Lim / Shutterstock.com)

スマホライフPLUS編集部

スマホライフPLUS編集部

スマホライフPLUSは、スマホやデジタルサービスを活用するための情報を提供するITメディアです。
iPhone・Androidの便利な使い方、SNSの活用術、キャッシュレス決済、ネット銀行、金融アプリなど、日常生活に役立つテクニックやお得な情報を紹介・レビューしています。スマホが欠かせない時代に、より賢く活用するためのヒントを独自の視点から発信しています。

中国製EVとカーナビが日本に? 拡大する中国ITの影響とはのページです。スマホライフPLUSは、【パソコン・ITカーナビCarPlayBYD】の最新ニュースをいち早くお届けします。