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ゲームの「課金要素」は炎上の火種?「圧倒的不評」タイトルの特徴とは

近年、基本プレイ無料(Free-to-Play, F2P)ゲームの普及に伴い、「課金」のあり方がプレイヤーの間で活発に議論されています。スマートフォンゲームを中心に広まったこのモデルは、PCゲームやコンソールゲームにも影響を与え、さまざまな形で導入されるようになりました。しかし、そのバランスを誤ると、プレイヤーからの厳しい批判に晒されることも少なくありません。

その代表的な例として、大人気デジタルカードゲーム『シャドウバース』の最新作として大きな期待を集め、リリースされた『Shadowverse: Worlds Beyond』が挙げられます。

ゲームの「課金要素」は炎上の火種?「圧倒的不評」タイトルの特徴とは1
(画像は「Shadowverse: Worlds Beyond」公式サイトより引用)
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2025年6月17日にリリースされた『Shadowverse: Worlds Beyond』は直後からPCゲームプラットフォームSteamで「圧倒的不評」という極めて厳しい評価を受ける事態となりました 。

この記事ではなぜ一部のゲームの課金要素が「炎上」の火種となるのか、Steamレビューで「不評」と評価されるタイトルの特徴などを見ていきましょう。

『Shadowverse: Worlds Beyond』はなぜ「圧倒的不評」?

『Shadowverse: Worlds Beyond』はなぜ「圧倒的不評」?1
(画像は「Shadowverse」公式サイトより引用)

『Shadowverse: Worlds Beyond』は、Cygamesが開発を手掛ける人気デジタルカードゲーム『シャドウバース』の正統続編として、多くのファンから注目されていました。前作は戦略性の高いゲームプレイと魅力的なキャラクター、そして比較的緩やかな課金圧で幅広い層に支持され、eスポーツシーンでも大きな成功を収めました。それだけに、最新作に対する期待は非常に高かったと言えるでしょう。

しかし「Steam」では冒頭で述べた通り、リリース直後は圧倒的不評のレビューが多数寄せられました。その後、全体的な評価はやや持ち直したものの、2025年7月1日時点では約14,000件のレビューが寄せられており、その総合評価は「やや不評」という厳しいものに留まっています。

参考までに、Steamの主な評価段階は以下のようになっています(レビュー数10件以上の場合)。

『Shadowverse: Worlds Beyond』はなぜ「圧倒的不評」?2
(画像はスマホライフPLUS編集部作成)

「賛否両論」が好評率40~69%であることを考えると、「圧倒的に不評」や「やや不評」が厳しい評価であることが分かります。これは、単に一部のユーザーが不満を持っているというレベルではなく、大多数のプレイヤーが何らかの深刻な問題を感じている状態を示唆しています。

課金要素に対する不満

多くのレビューで指摘されているのが、課金要素に対する不満です。

主な課金要素としては、ゲーム内通貨「クリスタル」の購入、それを利用したカードパックの開封や各種アイテムの購入が挙げられます。カードパックにおけるレアリティ別排出確率は以下の通りです(通常枠)。

・レジェンド: 1.5%
・ゴールドレア: 6.0%
・シルバーレア: 25.0%
・ブロンズレア: 67.44% (残り)
・エクスチェンジチケット: 0.06%

多様なデッキを構築するためには多くのレジェンドカードやゴールドカードが必要であり、1種類のカードを3枚揃えることを考えると課金要素は必須に近いです。一部では「まともにデッキ構築をするには数万円の課金が必要になってしまう」との強い批判の声も出ています。

さらに、不要なカードを分解して得られる「レッドエーテル」を用いて必要なカードを生成するシステムがありますが、このレッドエーテルの生成レートが前作『シャドウバース』と比較して厳しくなったとの指摘もあります。

前作は、時間をかければ無課金でも多様なデッキを構築し、最高ランクを目指すことも十分に可能でした。そのため、最新作に対しても同様の、あるいはそれ以上に洗練されたプレイヤーフレンドリーな環境を期待していた層からの反発は大きかったと考えられます。

Steamで「不評」評価がつきやすいゲームの特徴

Steamで「不評」評価がつきやすいゲームの特徴1
(画像は「Steam」公式サイトより引用)

Steamで「不評」の評価がつきやすいゲームには、いくつかの共通した特徴が見られます。まずは課金要素が直接的な原因となるケースです。たとえばキャラクターや重要アイテムの入手がほぼガチャに限られ、その確率が極端に低い、あるいは「天井」が存在しないか、実質的に機能していない場合、プレイヤーは際限のない出費を強いられる感覚に陥りやすいです。

同様に課金額によってゲーム内での強さや勝敗が大きく左右されるバランスのタイトルも、プレイヤーは出費を強制されている感覚になりやすく、集まりやすい傾向にあります。

Steamで「不評」評価がつきやすいゲームの特徴2
(画像は「モンスターハンター」公式サイトより引用)

また期待値コントロールに失敗したタイトルも「不評」になりやすいです。大作ゲームや人気シリーズの続編など、事前の期待値が非常に高いタイトルでは、その期待を裏切った場合の反動も大きくなります。わずかな不満点であっても、積み重なることで大きな批判へと発展し、「こんなはずではなかった」という失望感が不評レビューにつながることがあります。

最近の例では、『モンスターハンターワイルズ』がSteamで一時「圧倒的に不評」となった事例も、ボリューム不足や運営方針への不満、期待との乖離などが指摘されており、期待値の高さがネガティブな評価を増幅させた一因と考えられます。

なお今回の『Shadowverse: Worlds Beyond』の事例は、『モンスターハンターワイルズ』同様の期待値コントロールの失敗に加えて、課金圧の強さがかけ合わさる形となり「圧倒的不評」の評価へと悪い形でつながった一例だと言えるのではないでしょうか。

プレイヤーに支持される課金モデルとは?

全てのF2Pゲームや課金要素が悪というわけではありません。プレイヤーに受け入れられ、むしろ支持される課金モデルも存在します。

プレイヤーに支持される課金モデルとは?1
(画像は「原神」公式サイトより引用)

その代表例としてよく挙げられるのが、miHoYo(現HoYoverse)開発のオープンワールドRPG『原神』です。『原神』は、広大な美しい世界、魅力的なキャラクター、重厚なストーリーといった高品質なコンテンツを基本無料で提供しています。主な課金要素はキャラクターや武器を入手するためのガチャですが、課金しなくてもゲームのメインストーリーや探索など、大半のコンテンツを十分に楽しむことができます。多くのプレイヤーは、「より深くゲームを楽しみたい」「お気に入りのキャラクターを手に入れたい」といったポジティブな動機で課金を選択しています。キャラクターの強さだけでなく、その背景にある物語や世界観への「愛着」、あるいは「コレクション欲」を満たすような設計が、プレイヤーの課金に対する納得感を高めていると言えるでしょう

炎上しづらい課金要素の例

強さだけではない「愛着」や「コレクション」に基づく課金はユーザーに受け入れられる傾向が強く、課金要素について考えるうえで示唆がある点ではないでしょうか。

たとえばキャラクターの見た目を変えるスキンや装飾品など、ゲーム内での強さには直接関係しないアイテムへの課金は自己表現やコレクションの楽しみを提供するという点で、ゲームバランスを壊さずに「愛着」を高める点で有効です。

また愛着の裏には「快適なプレイ環境を求める声」もあります。たとえばゲームバランスを著しく壊さない範囲での、ゲームプレイに必要な時間を短縮できるアイテム(移動速度の向上やアイテム所持数の枠拡大など)も課金要素としてある程度の需要があるでしょう。

総じてプレイヤーは、ゲームのグラフィックやシステムだけでなく、課金体験も含めた総合的な満足度でゲームを評価します。特に、前作の成功やブランドイメージによって期待値が高まっているタイトルほど、その期待を裏切った場合の反動は大きくなる傾向にあります。短期的な収益を追求するあまり、プレイヤーの信頼を損ねるような課金モデルを採用することは、長期的なブランド価値の毀損やユーザー離れという、より大きな代償を支払うリスクを伴うことを認識すべきです。ゲームの面白さをスポイルしかねない「課金圧」は、慎重にバランス調整されるべきでしょう。

※サムネイル画像(Image:g0d4ather / Shutterstock.com)

スマホライフPLUS編集部

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