写真の自動修正や、自然な言葉で指示に対応してくれる音声アシスタント、リアルタイムでの通話翻訳など、AI機能を搭載したAIスマホに、近年注目が集まっている。では実際に、人々はAIスマホに対してどれくらい期待しているのだろうか。最新の消費者動向調査の結果を見てみよう。
約7割が、AIスマホの基本的な認知がある
調査は株式会社IoTコンサルティングが運営する「ロケホン」にて、20代から60代以上の男女500名を対象に行われ、AI機能の認知度、期待される効果、懸念事項などについて包括的に分析している。調査結果によると、AI機能に対する基本的な認知度は高く、回答者の73.2%が「聞いたことはある程度」または「ある程度知っている」と回答した。しかし、詳細な知識を持つユーザーは2.2%に留まっており、AI機能の具体的な活用方法については、まだまだ周知が必要となっているようだ。
最も期待されているAI機能は「写真の編集・加工機能」(22.8%)で、次いで「音声通話のリアルタイム翻訳」(21.6%)となっており、視覚的・言語的コミュニケーションの強化に対するニーズが高いことが明らかになった。
AI機能による効果への期待では、「日常生活の効率化」が41.8%と最も高く、AIスマホは日常生活の質を向上させるツールとして期待されているようだ。
AIスマホの懸念点は価格とプライバシー、だが期待感が強め
一方で、AIスマホの購入を検討する際の懸念事項として挙げられた項目は、「端末価格」(52.2%)が最も高く、続いて「プライバシーへの影響」(17.6%)という結果となった。ただでさえ値上がりが著しいスマホの価格が、AI機能の充実によってさらに高くなっては、いかに便利であっても購入には躊躇するという気持ちはよく分かる。また、個人情報の取り扱いに関する不安も大きく、プライバシーポリシーの明確化や、セキュリティ対策の説明が重要であることが浮き彫りになった。
一方で、AI機能を使いこなせるかどうかという不安も存在し、分かりやすい操作説明や段階的な機能導入が求められている。これらの懸念事項に対応することが、AIスマホの普及を促進するカギとなるだろう。
とはいえ、調査対象者の75.8%が、AI機能によって生活が「ある程度変わる」または「大きく変わる」と回答しており、AI技術への期待の高さが伺える。ユーザーはAI技術の潜在的な影響力を認識しているため、具体的なユースケースの提示により、さらなる期待度の向上が見込めそうだ。
出典元:【ロケホン】
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