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キャリアメール『docomo.ne.jp』や『ezweb.ne.jp』はもう不要? 利用機会が減った理由

いわゆる『ガラケー』の全盛期、「@docomo.ne.jp」や「@ezweb.ne.jp」といったキャリアメールアドレスを利用していた方は多いでしょう。一方で、スマートフォンの普及に伴ってキャリアメールの利用機会が減った方も多いのでは?

若年層では、キャリアメールの利用機会が大幅に減少しています。たとえば東京工科大学が2024年5月に発表した「新⼊⽣の『コミュニケーションツール』利⽤実態調査」によると、「普段、家族や友人との連絡に使っているもの」の最多はLINEのメッセージで97.9%でした。一方、キャリアメールは年々減少傾向にあり、2024年度は13.0%となっています。つまり、大学の新入生という若者世代にとってはキャリアメールは10人に1人程度が使うものになっているようです。

もはやキャリアメール「@docomo.ne.jp」や「@ezweb.ne.jp」などは不要なものになりつつあるのでしょうか? 詳しく見ていきましょう。

キャリアメール利用減少の主な理由

キャリアメールの利用機会が減少した理由は多岐にわたります。

結論から言えば「利用習慣の変化やフリーメールの普及」によって、そもそも携帯電話のメール自体を使う機会が減少し、その数少ない機会すらもSMSに代替されたと言えるでしょう。

LINEやSNSのDMを主な連絡手段とする「利用習慣の変化」

LINEやSNSのDMを主な連絡手段とする「利用習慣の変化」1
(画像は「LINE」公式サイトより引用)
この記事の画像(3枚)

若年層では、LINEやSNSのDMが主要なコミュニケーション手段となっており、メール自体を利用する機会が減少しています。

たとえばモバイル社会研究所が2023年4月に発表した「スマホ・ケータイ所有者のSNS利用動向」によると、SNSの中でももっとも利用率が高いのはLINEで利用割合は83.7%。コミュニケーションのツールとして非常に利用率が高いと言えます。

なお、インスタグラムの利用割合も39.9%。若者世代の間ではインスタグラムのDMも連絡手段として確立しているようです。

フリーメールの普及

スマートフォンの普及に伴い、個人間で容量の大きな写真・動画をやり取りする機会自体も増加しています。それらのファイルをメールでやり取りする場合には、GmailやYahoo!メールなどのフリーメールサービスが適しているのも事実です。

たとえばGmailは無料で大容量のストレージを提供し、添付ファイルの容量制限も緩やかです。一方、キャリアメールは容量が限られており、特に写真や動画の送受信には不向きです。

加えてキャリアメールは、通信事業者を変更するとアドレスが使えなくなるという制約があります(※メールアドレスの持ち運びサービスを使わない場合)。

このため、キャリア変更時にメールアドレスを再登録する手間を嫌い、フリーメールに移行するユーザーが増えています。

低価格プランの登場

ドコモの「ahamo」やKDDIの「povo」など、キャリアメールを含まない低価格プランが登場したことで、キャリアメールを必要としないユーザーがこれらのプランに移行するケースが増えました。

低価格プランの登場1
(画像は「ahamo」公式サイトより引用)

昨今は大手キャリアから、サービス内容をシンプル化した格安プランが登場するケースが増えており、実際に支持を集めてもいます。

キャリア側がサービスの合理化を推し進める中で、キャリアメールをそもそも「提供しない」ケースが増えたことも、キャリアメールの衰退に拍車をかけていると言えるでしょう。

そもそもキャリアメールはなぜ浸透した?

キャリアメールの利用機会が減った理由を改めて一つひとつ見ていくと、「なぜキャリアメールが長きにわたって利用され続けてきたのか」が不思議に思えるほど、キャリアの制限(※持ち運びも可能ですが、ニッチな需要であることも事実です)や容量制限があるメールアドレスの不便さが浮かび上がります。

では、そもそもキャリアメールはなぜ浸透したのでしょうか?その大きな理由には、2010年代前半まで、キャリアをまたいだSMSの送受信ができなかったことが挙げられます。

そもそもキャリアメールはなぜ浸透した?1
(画像はスマホライフPLUS編集部で作成)

実は従来、SMSは異なるキャリア間では送受信ができませんでした。

SMSが異なるキャリアで送受信可能になったのは2011年7月のことです。2011年の夏以前は親しい友人であってもキャリアが違えばSMSは使えなかったため、キャリアのメールアドレスに比べるとSMSは不便な存在でした。

もしも歴史の歯車が違い、そもそも「異なるキャリアでもSMSが利用可能だった」ならば、キャリアのメールアドレスは今日ほどには国内のユーザーに普及しなかった可能性すらあります。電話番号のみで十分にやり取りができるほか、SNSのDMやメッセンジャーアプリなど代替の連絡手段も10年代前半にはすでに多数登場していたためです。

キャリアのメールアドレスはもう不要?

キャリアメールを利用していたユーザーにとって、アドレス変更に伴う手間が大きな負担となっています。特に、金融機関やECサイトなど、キャリアメールを登録しているサービスが多い場合、再登録作業に時間がかかることがあります。また、一部のサービスではキャリアメールアドレスを必須としているため、引き続き「@docomo.ne.jp」や「@ezweb.ne.jp」は必要となるでしょう。

とはいえ、こうしたニーズ自体が限定的であることも否めません。中期的な視座に立つと「@docomo.ne.jp」や「@ezweb.ne.jp」は役割の変化が求められているのも間違いないでしょう。

そして仮にキャリアメールが、電話番号のみで送受信できるSMSやLINE、SNSのDMとは違う役割を持つことができないならば、メールアドレスとしては「もう不要」と言えるかもしれません。

※サムネイル画像(Image:Shutterstock.com)

スマホライフPLUS編集部

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