スマホの進化が進み、キャッシュレスで決済できるサービスが増え続ける今、携帯キャリア別でのクロスユース率はどうなっているのだろうか。ICT市場調査コンサルティングのMM総研は2025年8月7日~25日、15~79歳の男女26,970人を対象にWebアンケート調査を実施。2025年8月時点のポイントや、決済サービスの携帯キャリア別利用状況について見ていこう。

キャリアで提供するサービスがクロスユース率向上に寄与している?

今回の調査結果から、ポイントサービスのクロスユース率を見ると、「楽天モバイル」が75.5%で圧倒的トップに。また過去5年でも、楽天モバイルは73%以上をキープし続けていることが明らかになった。楽天が提供しているサービスに「SPU(スーパーポイントアッププログラム)」というものがあり、楽天モバイルの契約者は常に楽天市場で通常の4倍のポイント還元が受けられるため、ポイントサービスのクロスユース率に大きく寄与していると考えられる。他キャリアは平均30%前後にとどまった。

QRコード決済のクロスユース率について見てみると、「ソフトバンクユーザーのPayPay利用」が57.3%で他キャリアを20%ほど上回りトップに。ソフトバンクはユーザーに「スーパーPayPayクーポン」を提供し、対象店舗で使えるポイント還元クーポンを毎月配布しており、高いクロスユース率に寄与していると考えられる。他キャリアはポイント同様に30%前後という割合だ。
クレジットカード、ECサイトでも楽天モバイルがトップ

クレジットカードのクロスユース率についても見てみると、「楽天モバイルの楽天カード」が65.5%で2位と40%も差を開き1位に。ポイント還元やセールといった大規模イベントを定期的に開催していることが、クロスユース率の高さに寄与していると考えられる。2位は「ドコモのdカード」で、料金プランと連動したカード特典がクロスユース率向上に寄与したと考えられる。

ECサイトについてもクロスユース率を見たところ、「楽天モバイルの楽天市場」が61.4%で最も多く、2位は大きく差が開いて「ソフトバンクのYahoo!ショッピング」で26.4%。他は小規模にとどまる結果となった。
楽天モバイルは主要キャリアを抑え、圧倒的な人気を誇っている。楽天経済圏のユーザーを巧みに取り込むキャンペーンやサービスを展開しており、他キャリアにとっても参考となる戦略と言える
出典:【MM総研】
※サムネイル画像(Image:Shutterstock.com)※画像は一部編集部で加工しています