携帯ショップや家電量販店に行くと、スマホがたった「1円」で販売されていることがありますよね。あれって本当に1円なんでしょうか?「何か裏があるのでは?」と疑っている人も多いと思います。そこで今回は、「1円スマホ」がどのような仕組みになっているのかを解説しましょう。

やっぱり1円スマホには注意点が多かった!
まず、携帯ショップや家電量販店で販売されている「1円スマホ」には“一括1円”と“実質1円”の2種類があります。
最近、一括1円スマホはあまり見かけなくなりましたが、本当にスマホ代金が1円で買えます。ただし、本体価格が2万円程度の格安なAndroidスマホや型落ちモデルである場合がほとんど。
一括1円スマホが格安モデルになっている理由は、以前の過激な1円スマホ販売が問題視され、総務省によってスマホの料金値引き額に規制がかかったためです。
●総務省「「電気通信事業法第27条の3等の運用に関するガイドライン」の改正案に対する意見募集の結果及び改正したガイドラインの公表」は→こちら
では、10万円を超えるような高額スマホの1円販売はできないのかと言われれば、そのようなことはありません。
キャリアも人気のiPhoneを1円で販売することで注目を集め、できるだけ契約を取ろうと必死です。そこで編み出されたのが「実質1円」スマホというわけです。
実質1円の場合は最新iPhoneのエントリーモデルなども対象になりますが、必ずしも実質負担額が1円ではありません。
月1円の支払いで1~2年契約なら実質負担額が12~24円となることもあり、1~2年後にはスマホを返却することが大前提になっています。
それでも「実質12~24円で2年使えるならいいんじゃないか?」と思う人も多いでしょうが、契約条件としては、MNP(番号そのまま乗り換え)や若年層の新規契約などに限定されることが多くなっています。
しかも、実質1円のスマホの通信料金契約はほぼ必須で、内容はもっとも高額な5G無制限プランが中心。割引なしでは月額7,500〜8,500円前後になることが一般的です。
実質1円で購入できるiPhoneはもっとも安いモデルになり(一世代前の場合もあり)、ストレージも最低容量のものがほとんど。しかも、Apple Storeでの販売価格より1万円以上高く設定されている場合もあります。
また、1~2年後にスマホを返却するときスマホに傷があったり壊れていた場合は、追加支払いが発生します。また、1~2年後に返却しない場合はその後の支払いが2,000円~4,000円くらいになることがあり、結果的に、その合計金額が10万円を超えることもあります。
さらに、不要なオプションサービスへの加入を求められる場合もあります。「3カ月間は無料なんでお願いします!」などと言われ、解約を忘れるとムダな料金が発生するため注意が必要です。
■実質1円スマホ購入時の注意点
【1】高額な通信料金プラン契約が必須で、スマホの通信料金プランが高くなる場合が多い
【2】必要のないオプションサービスの加入を求められることがあり、解約しないとムダな出費がかかる
【3】 返却時のスマホに傷や故障があると追加費用を請求される場合がある
【4】1~2年の返却期限を過ぎてスマホを返さないと、その後の支払いが高額になることが多い
1円スマホを契約するときの注意点は?
少しでも安くスマホを購入するために1円スマホを契約する場合は、以下の点に注意しましょう。
まず、「一括1円」か「実質1円」かを確認します。一括1円ならスマホは1円で自分のものになりますが、実質1円は1~2年後に返却することになりますので、実質レンタルしているのと同じですね。
次に、スマホの通信料金プランの内容を確認しましょう。5G無制限プランでいい人なら問題ないのですが、月1~10GB程度しか必要ない人の場合は割高になります。
格安SIMなどを利用すれば通信料金プランはかなり安く済みます。仮に月3,000円の差があると1年で3万6,000円、2年では7万2,000円も高くなりますので、スマホの代金だけでなく通信料金プランとの合算でお得かどうか計算する必要があります。
また、実質1円の場合は1~2年後にスマホを返却しないといけないので、傷や破損に注意して使用することになります。
一括1円や中古で購入したスマホならそのあたりを気にせず使えますし、いつでも売却することが可能です。とくにiPhoneなら数年後のリセールバリューも高いので、その売却益もトータル費用に含めて計算してみることも重要です。
なお、一括1円スマホであっても契約内容には注意が必要です。実質1円と同じように高額プランしか契約できなかったり、不要なオプションサービスを勧められることもあるので、契約時は十分注意してください。
■1円スマホを契約する際の注意点
【1】 「一括1円」か「実質1円」かを確認する
【2】スマホの通信料金プランが5G無制限である必要があるかどうか考慮する
【3】スマホの代金だけでなく、通信料金プランとの合算でお得かどうか判断する
【4】スマホの返却時期はいつか? 契約期間後の支払い金額を確認しておく
【5】iPhoneの場合は中古スマホも選択肢に入れ、売却時の金額も計算に入れておく

まとめ
いかがでしょうか? 今回は携帯ショップや家電量販店で販売されている「1円スマホ」について解説しました。
スマホの購入費用を抑えて、常に新しいiPhoneを使いたい。しかも、5G無制限プランでないと困るという人であれば「実質1円」スマホもアリかもしれません。
しかし、実質1円スマホは事実上1〜2年縛りの契約になりますし、今回紹介したようにさまざまな注意点がありますので、1円スマホのリスクをよく理解したうえで契約するようにしてください。



