SNSは、利用しない日はないと言っても過言ではないほど、現代社会に欠かせないコミュニケーションツールとなっているが、一方でその利用に伴うトラブルも後を絶たない。できればトラブルに巻き込まれたくないというのがみんなの心情だが、SNSでトラブルに巻き込まれやすい人の傾向はあるのだろうか。モバイル社会研究所による調査結果によると、SNSでのコミュニケーショントラブルには年齢や性別、利用時間などによって特徴的な傾向が見られるようだ。
トラブル経験は全体で見ると数%、だが15歳~24歳男性は1割超え
調査は2024年2月、全国の15歳~59歳男女3,936人を対象に実施された。その結果を見ると、SNS利用者全体のうち、「自分の発言で他人を傷つけた」「複数人から批判的な書き込みをされた」「言い合いになった」といったトラブルを経験した割合は、それぞれ4~7%程度であった。これを見ると、トラブルに巻き込まれる人は1割にも満たないことになるが、性別や年齢層によって大きな差が見られ、特に若年層と男性でトラブル経験率が高いことが判明した。15~24歳の男性では、「言い合いになった」「複数人から批判的な書き込みをされた」の割合がそれぞれ1割を超えており、他の年齢層や女性と比較して顕著に高い数値を示している。また、自身の周りでトラブルを経験した人がいるかどうかについても調査が行われ、全体的に自身が経験した割合よりも高い値となった。特に15~24歳の男性では、周りで「言い合いになった」人がいる割合が2割弱に達し、他の層と比べて際立って高いことが明らかとなっている。
スマホ利用が長い、対面交流頻度が高いほど、トラブル経験も多め
※各年代におけるスマホ利用の長時間群、短時間群の区分は以下の通り
15-24歳:長時間群=1日6時間以上、短時間群=1日6時間未満
25-39歳:長時間群=1日4時間以上、短時間群=1日4時間未満
40-59歳:長時間群=1日2時間以上、短時間群=1日2時間未満
スマホの利用時間とSNSトラブルの関連性はあるのだろうか。調査結果によると、ほとんどの年代・トラブル種類において、スマホの利用時間が長いほうがトラブル経験の割合が高いことが判明した。特に「言い合いになった」経験に着目すると、15-24歳では4ポイント、40-59歳では3ポイント以上の差があり、年代を問わずスマホを長時間利用している人ほどSNSで「言い合いになった」経験の割合が高くなる傾向が見られた。スマホ利用時間が長いほど、SNSでのコミュニケーション機会も増加すると思われるため、当然の結果と言えるかもしれない。
加えて、友人との交流頻度とSNSトラブルの関係について見ると、外食や旅行といった対面交流の頻度が高い人ほど、SNSでのトラブル経験率が高いことが明らかになっている。対面交流が活発な人ほどSNSの利用・発信も多くなり、結果としてコミュニケーショントラブルの機会も増えるためと考えられる。一方で、電話やLINE、メールなどの非対面交流については、年齢によって異なる傾向が見られた。若い年代では非対面交流が少ないほうがトラブルの割合が高い傾向がある一方で、年齢が上がると非対面交流が多いほうがトラブル経験の割合が高くなる傾向が見られた。顔が見えない相手とのやりとりでは、特に言葉の使い方に気を配りたい。
出典元:【モバイル社会研究所】
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