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6秒動画の先駆者『Vine』が廃れ、TikTokが流行った理由は何?

アメリカで禁止令が発効され、一時サービスが停止された動画共有アプリ「TikTok」。しかし2025年1月20日に、トランプ氏が大統領就任後、禁止措置に90日間の猶予が与えられてサービスが再開。さらに2月3日にはトランプ大統領が政府系ファンドの創設を命じる大統領令に署名し、そのファンドがTikTok買収に向けて動き始めるなど、その動きが注目されています。

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(画像は「TikTok」公式サイトより引用)
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一方でショート動画プラットフォームとしてTikTokは先駆者ではなく、Snapchatなど先行するサービスは多数ありました。特に6秒動画『Vine』はTwitter社に買収されたこともあり、Twitterの人気が高い日本国内では認知度が高いサービスでした。一方、そんなVineは2016年にサービスを終了しています。

なぜVineが廃れ、TikTokが流行ったのでしょうか?詳しく見ていきましょう。

6秒動画の先駆者『Vine』が廃れた理由

Vineが廃れてしまった理由として競合他社の台頭やVineを買収したTwitter社の経営の混乱、Vineの人気クリエイターとの対立が挙げられます。

競合他社の台頭

Vineは6秒間の短尺動画という斬新な形式で人気を博しましたが、InstagramやSnapchatなどの競合がより長い動画の投稿に対応したり、多機能な編集ツールを提供し始めたことで、ユーザーが流出した側面があります。

編集ツールが充実すると、クリエイターにとっては少ない工数でより充実した動画をリリースできるようになるため好循環が生まれます。

なお、Vineにはこれらの競合に追従できるだけの開発リソースや予算がすでに存在していなかった可能性もあります。Vineがサービス終了したのは2016年。終了を発表した同日、Twitterは業績発表を行っており、その際全社従業員の9%(350人)の削減を発表しています。

競合他社の台頭1
(ロゴは各社から引用)

最終的にイーロン・マスク氏に買収されたTwitter社は長きにわたって経営不振が指摘され続けていた企業であり、InstagramやSnapchatの機能強化やPR戦略に追従できる体力がなかった可能性もあります。

Twitter社の経営の混乱

Vineを買収したTwitter社は、長年に渡って赤字が続いていた企業です。Twitterはサービス開始以来、広告収入を主軸にして売上を伸ばしていましたが、2017年まで赤字続き。2018年に黒字に転じ、2019年も黒字化しましたが、2020年にはコロナの影響もあり再び赤字に。

競合他社の台頭1
(画像は「イーロン・マスク(@elonmusk)」公式Xより引用)

そんな流れの中、実業家のイーロン・マスク氏が2022年10月にTwitterを約440億ドル(約5兆6000億円)で買収。買収後、全世界の従業員7,500人の半分である約3,700人に解雇を通告したことが報じられています。

マスク氏の下であれば即時に異例のリストラが断行されるほど、Twitter社の経営状態が悪いのは明らかであり、Vineは良くも悪くもTwitter社のメイン事業ではなく「後回しにせざるを得ないもの」だったのかもしれません。

スターとの対立

Vineには「スター」と呼ばれる人気クリエイターがいましたが、2016年にBuzzFeed NewsがTwitterとスターが報酬をめぐって対立していることを報道。その後、交渉は決裂し、スターがVineから撤退することに。クリエイターから要望のあった「コメント管理機能」や「収益化システム」の導入が遅れたことも不満を増幅させ、プラットフォーム衰退に拍車をかけました。

ショート動画プラットフォームとしての『TikTok』の優れた点

Vineは2016年にサービスを終了しましたが、その後、YouTubeショートなどに代表される「ショート動画」の流行が訪れているのは周知の事実です。そして数あるショート動画のプラットフォームの中でもTikTokは特筆すべき存在です。TikTokについてトランプ大統領は「私はTikTokが好きだ」と述べています。

「アーリーアダプター」アルゴリズム

TikTokのアルゴリズムはフェーズ1からフェーズ4まで存在しているというのが通説です。

「アーリーアダプター」アルゴリズム1
(画像は筆者が作成)

新しい動画が投稿されると、まず限られた数のユーザー(パイオニアユーザー)に表示されます。これらのユーザーの反応、特に「いいね」などのエンゲージメントが、動画の質を判断する重要な指標となります。

人気アカウントの場合、フォロワーがパイオニアユーザーとなることが多く、すでにコンテンツへの関心が高いため、良好な反応を得やすい傾向にあります。一方、フォロワーの少ないアカウントでは、システムがランダムにパイオニアユーザーを選出します。

この初期段階で肯定的な反応が集まると、その動画は高品質なコンテンツとして認識され、より多くのユーザーのFor Youページに表示される機会が増えます。逆に、初期の視聴者からの反応が芳しくない場合、推奨される頻度は低くなります。

注目すべきは、フォロワー数に関係なく、質の高い動画であれば広く拡散される可能性があるということです。このシステムにより、新規クリエイターでも注目を集めるチャンスが平等に与えられているのです。

多機能な動画作成ツール

TikTokはフィルター、エフェクト、音楽の統合など初心者でも簡単にプロフェッショナルな動画を作成できるツールを提供し、ユーザーの創作意欲を高めました。

多機能な動画作成ツール1
(画像は「Effect House」より引用)

それを表しているのが、TikTok用のARエフェクトを制作・公開できるプラットフォーム「Effect House」。専門知識のないユーザーでもクリエイティブな表現が可能。ARの波に乗り今後も可能性が広がるものと見られます。

クリエイターにとっての収益性の高さ

TikTokはクリエイターズファンドを設立し、クリエイターが収益を得られる環境を整えました。また、ライブ配信やギフティング機能を通じて、クリエイターが直接収益を得られる仕組みを提供しました

TikTokは音楽を動画に簡単に追加できる機能を提供し、音楽トレンドを生み出す場としても機能しました。クリエイターにとってはTikTokはYouTubeと並び、認知を得る場所としても収益の場としても中心と言えるでしょう。

※サムネイル画像(Image:Popartic / Shutterstock.com・Danishch / Shutterstock.com)※画像は一部編集部で加工しています

スマホライフPLUS編集部

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