最新の情報収集には欠かせないSNS。ここ数年で動画系SNSの利用率は高まっていて、動画といえば「YouTube」をメインに活用する人は多いだろう。だが、企業勤めのSNS運用担当者の間では、現在「TikTok」に力を入れているところが多いらしい。ネオマーケティングが行った調査から、背景を見てみよう。
「TikTok」がSNS媒体の中で1番予算がかかっている?

ネオマーケティングは2025年2月、企業SNSアカウントの運用担当者で、全国の20~69歳の男女966名を対象に、「自社のSNS」についての調査を行った。(toCビジネスモデル(BtoC・GtoC・DtoC):500名、toC以外のビジネスモデル(BtoB・BtoE・BtoG):466名)本記事では、「toC」のSNS運用担当者の回答を主に結果を見ていく。
「SNSの月間予算」の調査結果を見てみると、動画系SNSは利用率以上に予算がかけられていることが判明した。月の予算を「100万以上」と回答した割合は、「TikTok」が28.4%、「YouTube」が24.1%。6つの主要SNSの中で、3番目に予算割合が高い「X(旧Twitter)」の15.8%とは、大きく差が開いた。さらに同じ動画系SNSでは、「YouTube」より「TikTok」の方が高い予算割合となった点にも注目だ。
企業が高額な予算をかけてでも取り組む背景を考察すると、「TikTok」は投稿がユーザーによって二次的に広まったり、関連コンテンツが生まれたりといったケースが多く発生することが挙げられる。爆発的に注目を集める「バズ投稿」が生まれる可能性が高く、短尺でたくさん数を打てば可能性はさらに広がる。制作コストと動画本数の増加によって、予算割合が高くなったと推測される。
「TikTok」で得られる情報とは、どんなもの?

「SNSの投稿内容」の調査では、SNS運用担当者が「TikTok」でどのような内容の発信をしているのか、他のSNSと比べてどのような発信に向いているのか、傾向が見えてきた。利用率の高かった「X(旧Twitter)」や同じ動画系SNSの「YouTube」と見比べながら、読み解いていこう。「X(旧Twitter)」の場合、「自社新商品・自社新サービス情報」が63.8%と1番割合が高く、「自社商品・自社サービスの情報」(57.0%)、「自社のニュース」(55.2%)が続く。「イベント情報」(35.1%)、「ノウハウ・お役立ち情報」(23.7%)とは大きく差が開いた。
「TikTok」の場合、上位項目はほぼ同じであるが、「X(旧Twitter)」と比べて「自社商品を使ったアレンジ投稿」(40.7%)「ノウハウ・お役立ち情報」(39.5%)「購入者・ファンの紹介」(30.9%)といった割合が軒並み高い結果となった。「TikTok」は直接的な宣伝ではなく、認知や比較・検討の上で参考になるコンテンツが多く発信されているようだ。よりエンタメ性が求められるフォーマットであることから、クリエイティブなアプローチの必要があるためとも考えられる。また、「TikTok」と「YouTube」で比較すると、ほとんどどの項目の投稿においても、「TikTok」の方が活用度の高い結果となった。多くの企業が注力する「TikTok」は、情報の受け取り手が楽しみながら、どんな情報でも満遍なく知ることができる有用性の高いツールであるといえそうだ。
「TikTok」の活用が、今後のトレンドや最新の情報を得ていくための鍵になるかもしれない。
出典:【株式会社ネオマーケティングが実施した調査結果】
出典:【株式会社ネオマーケティング】
※サムネイル画像(Image:Saulo Ferreira Angelo / Shutterstock.com)