短時間でさまざまな動画コンテンツが楽しめるSNSアプリ「TikTok」。当初は楽曲に合わせて口パクする歌詞ハメ動画や、音に合わせて踊るダンス系動画が主流だったが、現在は多様なジャンルのエンタメが揃い、年々利用者が増えているという。今回はTikTokユーザーの実態を明らかにするため、NTTドコモが運営するモバイル社会研究所のTikTok利用動向の調査結果をみてみよう。
10~20代に人気のTikTok、10代女性の64.1%が利用

アンケートは2024年1月、15歳から79歳までのスマホ・ケータイ所有者6305人を対象に、インターネット調査で実施された。TikTokの利用率(月1回以上利用)を性年代別にみると、最も利用が多かったのは「10代女性」で64.1%、次いで、「10代男性」が45.7%、「20代女性」が38.9%、「20代男性」が28.4%という結果となった。年齢が低くなるほどTikTokの利用率が高くなり、特に10代女性の人気が高く、6割強が利用していた。
TikTokは流行のダンスや音楽、新商品の使用レビュー動画といったトレンド情報がいち早く発信される点や、動画が簡単に盛れる機能が豊富にある点などの特徴があるため、流行に敏感な10代女性の心を掴んだのかもしれない。
「10~20代」の3人に1人は、「1日10回以上」TikTokを閲覧

次に、TikTok利用者1134人にTikTokの利用頻度を尋ねたところ、「1日10回以上閲覧する」と回答した人は「10代」が33.7%と最も多く、3人に1人はヘビーユーザーであることが判明した。2番目に多かったのは「20代」(27.2%)で、約3割弱だった。また、利用者が少なかった40~50代でも、約2割は1日10回以上TikTokを視聴したと回答している。
1分以内の短尺動画が多く、テンポよく進む手軽さや、レコメンド機能で個々の興味・関心に応じた動画が表示されるところも、閲覧回数が増えている要因になっていると推測できる。おそらく1日10回以上閲覧するTikTokユーザーは、すきま時間を見つけては、TikTokをチェックする癖が身についてしまっているのだろう。魅力的なコンテンツだが、1日10回以上も閲覧していると、仕事や学業面で支障をきたさないだろうか。また、中毒性や依存性も気になるところだ。
TikTokでは、長時間利用による健康や生活の質が低下することを危惧し、デジタルウェルビーイングの機能を設けている。たとえば、1日の視聴時間を制限できる機能や、一定の視聴時間を過ぎると休憩を促す「視聴時間制限モード」、自身の閲覧状況をチェックできる「スクリーンタイムダッシュボード」などがある。
長時間の利用が気になる人は、これらの機能を利用してみてもいいかもしれない。
出典元:【モバイル社会研究所】
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