現在、企業やインフルエンサーが発信する投稿がユーザーとの関係構築や購買行動に直結する時代となっています。その中で、「どのくらいの頻度で投稿すればちょうどいいのか」と悩む企業も少なくありません。そこで今回は、「Instagram・TikTok・YouTube・X(旧Twitter)の主要4媒体について、ユーザーが感じる『ちょうどよい投稿頻度』と、実際に目にしている頻度のズレ」の分析結果を見ていきましょう。

SNS別・投稿頻度に対するユーザーの心理

hotice株式会社は合同会社RASA JAPANの協力を得て、日本国内在住のインフルエンサーの投稿を見るSNSユーザー127人を対象に「理想的な投稿頻度と実際のギャップ」に関するインターネット調査を実施しました。
はじめに、各SNSにおいて「あなたがよく見るインフルエンサーの投稿頻度として近いものを選んでください」と質問。
Instagramでは、「1日1~2回」や「1日3回以上」が高い割合を占める結果となりました。理想とされる頻度も「1日に1~2回」が最多となっています。
一方、「2~3日に1回」や「週に1~2回」がちょうどいい投稿頻度と感じる層も一定数存在しました。フォローするアカウント数が多い中で、控えめな更新を心地よいと考えているのかもしれません。

TikTokでも「1日1~2回」や「1日3回以上」といった回答が多く、投稿頻度への期待値が高い傾向にあります。理想の頻度としても、「1日1~2回」を支持する声が圧倒的に多くなりました。
連続視聴に抵抗が少なく、個人最適化されたタイムラインが、頻繁な投稿を自然なものとして受け入れられている点から、高頻度志向が多くなっているのではないでしょうか。

YouTubeでは、「2~3日に1回」や「週に1~2回」の頻度をちょうどいいと感じているユーザーが多いことがわかりました。一方で、「1日1~2回」と頻繁な投稿を好む層や、「頻度は気にしていない」といった声も少なくありません。
YouTubeは投稿の間隔よりも、動画の中身や企画の質を重視するユーザーが多い傾向にあるのでしょう。

X(旧Twitter)では、理想・実際の頻度ともに「1日に1~2回」がもっとも多い回答となりました。回答者の約8割が「投稿頻度が信頼感に影響する」と答えており、そもそも高頻度の発信が前提という考えが根付いているようです。
ユーザーの行動を促す「ちょうどいい」投稿頻度は?

ユーザーからの反応が良いことから、投稿頻度を増やしたり、インフルエンサーやブランドが投稿を頑張っていたりするケースも多いでしょう。しかし分析の結果、高頻度の投稿は「うるさい/しつこい印象を持つ」と感じるユーザーがもっとも多いことが明らかになりました。
また、「広告っぽく感じる」「信頼感が下がる」という回答も目立ったため、高頻度の投稿は情報の共有ではなく“売り込み”と捉えられやすいのかもしれません。

一方で、少なすぎる投稿は「活動していないと」と感じるユーザーが多く見られます。また、「忘れてしまう」「距離を感じる」という声も多く上がり、投稿頻度が少なすぎると警戒感を覚えてしまう人は少なくないようです。

では、ユーザーが“ちょうどよい”と感じるのはどのような投稿なのでしょうか。分析の結果、投稿頻度に正解はありませんが、一定の共通項がありました。
もっとも回答が多かったのは「自然体で発信している」でした。次いで「内容に無理がない」「プロモーションと日常投稿のバランスが取れている」で、頻度そのものよりもどう見えるかを重視している傾向にあることがわかります。

最後に、投稿頻度が“ちょうどよい”と感じられるインフルエンサーの投稿を見たあとに何か行動を取ったか質問すると、「検索した」「ECで探した」といった回答が高い割合を占めました。「SNSで調べた」という回答も多く、気になった情報を自ら深掘りするユーザーが多いことがわかっています。
他にも、「投稿を保存・スクショした」「そのまま購入した」などの回答も見られました。
本調査から、インフルエンサーの投稿でユーザーの行動を促すためには、「快適な間隔」を築くことが重要であると判明。フォロワーからの信頼を得るうえで、「投稿頻度が多すぎると警戒され、少なすぎると忘れられること」「自然体・無理のない投稿をしていること」などのポイントを意識していきたいところです。
出典:【hotice株式会社】