カスハラという言葉もよく聞かれるようになるなどメーカーと消費者の関係はデリケートになってきているが、カスタマーサポートにおいて、オペレーターの対応に不満を感じたことがある人はどれぐらいいるだろうか。MMDLaboが運営するMMD研究所とPKSHA Technologyが共同で「カスタマーサポートに関する利用者の意識調査」を実施したので、調査結果を見ていこう。

問い合わせる際に最も重視されるのは「対応の早さ」

予備調査は20~69歳の男女15,000人、本調査はカスタマーサポートに不満を感じたことがある人1,000人を対象に2025年6月27日~30日に実施された。予備調査では、サービスや製品に関して解決したい問題に直面した際に、他者を介さずに自己解決で対処した人7,602人を対象に、AIも活用して対処しているか聞いたところ、「AIを活用している」と回答した人は46.2%であった。

また、企業への問い合わせの際に重視するポイントを聞いた調査(複数回答可)では、「対応の早さ」が最も多く46.1%、次いで「解決までの早さ」44.7%、「土日でも対応できること」35.6%であった。

実際に、カスタマーサポートに不満を感じたことがある人は、どれぐらいいるだろうか。調査結果では、「不満を感じたことがある」55.6%となり、不満を感じたことがない人をやや上回った。では、どんな点で不満を感じたのだろうか。次に詳しく紹介していく。
不満は非対人のほうが対オペレーターを上回っているようだ

対オペレーターで最も多かったのが「電話・チャットの待ち時間が長い・つながらない」59.4%、次いで「窓口をたらい回しにされた」53.9%、「オペレーターの知識が不足していた」45.7%であった。また、非対人においては「知りたい情報が見つからない」が69.1%で最も多く、次いで「検索や回答の精度が悪い」54.4%、「オペレーターにつなぐ方法が見つからない」43%であった。たしかに、これらの理由は誰しも一度は経験したことがあり、早く解決したいときなどはイライラする気持ちを覚えた人もいるかもしれない。

では実際に、カスタマーサポートに対して怒った人はどれぐらいいるだろうか。15,000人に、オペレーターに対して強い口調や攻撃的な言動をしてしまった経験を聞いた調査では、「経験がある」と「たまにある」と回答した人は25.2%であった。また、オペレーターによるサポートに不満を感じた1,643人とFAQ・チャットボットなど非対人のサポートに不満を感じた1,355人を対象に、問い合わせの不満から製品やサービスを移行した経験を尋ねると、「実際にやめたことがある」は対オペレーターでは34.2%、非対人では50.8%いることが判明した。
忙しい現代では、物事の解決にもスピードが必要とされ、そのスピードが遅いとトラブルにもつながりかねない。しかし、強い口調で言うことが素早い解決につながるわけではない。モヤモヤを避けたい人は、対オペレーターを選択し、心落ち着けて対処していくことが有効といえそうだ。
出典:【MMD研究所】
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