日々の業務の中で、上司の言葉や態度に戸惑い、やる気を失った経験がある人も少なくないだろう。上司に悪気がなくても、その意図が若手社員にうまく伝わらず、すれ違いが生じることは少なくない。ペンマークとアルバトロスが実施した「Z世代と上司のコミュニケーションに関する実態調査」から、上司とのコミュニケーションが若手社員に大きな影響を及ぼしていることが明らかになった。詳しく見ていこう。

Z世代が直面する上司とのすれ違い

大学生向けの学習管理SNS「Penmark」を展開する株式会社ペンマークと、累計3万件以上の実績を持つ退職代行サービス「退職代行モームリ」を運営する株式会社アルバトロスは、若手社会人316名を対象に「Z世代と上司のコミュニケーションに関する実態調査」を行った。
業務を進めるうえで欠かせない上司とのやり取りだが、世代間の価値観の違いによって意思疎通に齟齬が生じやすい。特に社会人経験の浅い若手社員にとって、上司との関係性は日々の働き方やモチベーションに直結しやすいものだ。今回の調査では20代の若手社員が、上司とのコミュニケーションを理由に「離職を考えたことがあるかどうか」を掘り下げた。
9割が「辞めたい」と感じる上司とのかかわり

調査の結果、「上司とのコミュニケーションが原因で辞めたいと感じたことがある」と答えた人は約9割にのぼった。特に「頻繁にある(19.6%)」「時々ある(42.1%)」を合わせると6割超と、単発的な不満ではなく、継続的にストレスを抱えている実態が浮かび上がった。上司とのかかわり方そのものが、Z世代にとって大きな職場課題となっているといえる。
「指示があいまい」「話しかけにくい」「人によって態度が違う」など、上司の意図しない振る舞いが若手にとっては大きな壁になっているのかもしれない。Z世代は幼少期からデジタルネイティブとして育ち、多様な情報に触れ、個人の意見や価値観を尊重する傾向が強いことが背景としてあると考えられる。彼らは「背景や意図を知りたい」「対等な対話を望む」といった姿勢を持つ一方で、従来の上下関係を重視するスタイルの上司とは摩擦が生じやすいのだ。
しかし、双方のギャップを放置すれば、若手人材の流出や採用コスト増加、エンゲージメント低下といったリスクを招きかねない。上司自身は部下を成長させたい、チームを円滑に運営したいと考えているにもかかわらず、結果として部下を追い詰めてしまうケースが多いことも、調査結果から明らかになった。
Z世代にとって上司とのコミュニケーションは「働き続けるかどうか」を左右するほど大きな要素であるため、世代間の価値観の違いを理解し、対話のスタイルをアップデートしていくことが、これからの組織づくりにおいて重要なカギとなりそうだ。
出典:【株式会社ペンマーク「Z世代と上司のコミュニケーションに関する実態調査」】
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