さまざまな動画サブスクリプションサービスが乱立する中、サービス同士で「配信が被っている作品」が増えてきました。すると「複数の動画サブスクへと有料登録するのはもったいない」と感じる人も多いのでは?
そうした「配信が被っている作品」が比較的目立つのが、オリジナル作品が少ない『Hulu』です。

Huluは日本テレビグループのHJホールディングス株式会社が運営していることもあり、日テレ系番組が多くあるほか、巨人の試合が中継されているなど、スポーツ系での強みもあります。
一方でそれらのコンテンツは『TVer』などでも視聴可能な場合が多く、Huluオリジナル作品は少なめ。なおかつ近年はHulu独占作品が月額とは別にレンタル・購入が有料になるケースが増えています。
Huluは「実は不要なサービス」なのでしょうか。具体的に見ていきましょう。
Huluのプラン及び月額料金をおさらい
Huluの解約や「単発加入で十分なのか」について検討する場合、まずはプランや料金をおさらいすべきでしょう。
Huluのプランは通常プランとディズニープラスとのセットプランがあります。
通常のプラン

Huluの基本プランは月額1,026円(税込)で、14万本以上の作品が見放題となります。月額1,000円強という基本料金は特段高くはないものの、“特に安いとも言い切れない”価格です。。たとえばNetflixの広告付きプランは月額890円で利用可能であり、広告表示があるとはいえ、Huluよりも安価です。つまり価格競争力は「ないわけではないが、光っているほどでもない」です。
ディズニープラスとのセットプランについて

HuluとDisney+を併用する場合にコスパが良いのが『ディズニープラス』とのセットプランです。Hulu | Disney+ スタンダード セットプランとHulu | Disney+ プレミアム セットプランの2種類のプランが提供されていますが、最高画質や最高音質にこだわりがない場合はスタンダードプランで十分でしょう。
スタンダードプランは月額1,490円(税込)で利用できます。

このように書くとHuluとのセットプランは非常にお得ですが、実はディズニープラスはそもそも月額990円(税込)と非常に安価な動画サブスクです。
つまり「日テレ系のコンテンツも見たいけれど、ディズニー作品も見たい」場合には、ディズニープラスのみを契約し、日テレ系のコンテンツは民放の見逃し配信サービスを利用する方がさらに経済的だと考えられます。次項で詳しく見ていきましょう。
Huluは実は不要?解約しても問題ない理由
先述した通り、日テレ系番組は無料の見逃し配信サービスを利用すればリアルタイムでなくても視聴可能です。また、Huluで配信されているオリジナル作品は他社と比べてさほど多くなく、オリジナルコンテンツであっても有料という場合があります。
日テレ系の番組は『TVer』『日テレ無料』などで見逃し視聴可能
Huluで配信されている多くの日テレ系の番組は、『TVer』や『日テレ無料』(※日テレ公式の見逃し配信サービス)などのサービスで見逃し視聴が可能です。
たとえば2025年3月31日時点で、『TVer』では『名探偵コナン』『犬夜叉』などのアニメから、『スクール革命!』『笑点』などバラエティ番組まで日テレ系の人気コンテンツが一通り見逃し配信で提供されています。

TVerには配信期間の制限もあるため一概に「アーカイブ性が高いサービス」とは言えませんが、とくに旧作であればドラマやアニメが複数話に渡って公開されているケースも少なくありません。
そのため「無料な代わりに、広告付きかつ配信期間の制限付きでもOK」ならば、HuluではなくTVerを利用すれば十分でしょう。
オリジナル作品が少なく、ラインナップが他のサブスクと被りがち
Huluのオリジナル作品はNetflixやAmazonプライム・ビデオに比べると数が少なく、国際的なコンテンツ(海外ドラマや映画)も他のサブスクと重複することが多いです。
なかには『君と世界が終わる日に』シリーズのようにHuluから火が付いた人気作もありますが、全体のボリュームでは他社に劣ります。
そのため実際には『Huluと契約していても、視聴しているドラマや番組はAmazonプライム・ビデオやNetflixでも配信されているものばかり』ということも起きやすいです。この場合、たとえば自分自身がAmazonプライムのユーザーであれば、Huluを解約してプライムビデオに一本化した方が合理的です。
独占配信作にレンタル・購入作品が増えた
Huluでは一部の独占配信作が「レンタル/購入」形式で追加料金を必要とするようになっており、月額1,026円(税込)だけですべてが見放題ではなくなっています。

たとえばHulu独占配信のオリジナル番組『モーニング娘。Happy大作戦』(2024年公開)は、一話ごとのレンタル/購入が必要な作品です。同番組は全14話であり、全話セットでは8,500円の料金が必要です。
Huluに加入している理由が「Hulu独占配信作を見ること」にある方にとっては、その独占配信作自体が月額とは別に有料課金が必要なのは「微妙」な気持ちになるかもしれません。
Huluを解約しない方が良い人とは?
本記事で指摘してきたとおり、Huluには「よく考えると魅力的とは言い難い要素」もいくつかあるのは事実です。一方でHuluにはHuluの良さもあり、とくに以下の2つに該当する方の場合は「解約しない」こともおすすめします。
逆に言えば、これらに当てはまらない方は「どうしても視聴したい時だけ、プリペイドのHuluチケットを使って、単月だけ視聴すれば」十分かもしれません。
プロ野球の巨人戦をDAZN以外で視聴したい人
Huluは読売ジャイアンツ主催の公式戦のライブ配信に対応しています。
まずプロ野球の地上波中継は近年は番組数が必ずしも多いとは言えず、配信先のプラットフォームとしては『DAZN』が代表格になりつつあります。一方でDAZNの月額料金は4,200円(税込)と高価であり、スポーツ好きの方からの評判は必ずしも良いサービスとは言えません。消費者契約法をもとに、一部のJリーグサポーターの方が訴訟を提起していることが大々的に報じられたこともありました。
そこで代替手段としておすすめの巨人戦の視聴方法が「Huluでの視聴」です。

そのためDAZN以外のプラットフォームで巨人戦を見たい方にとっては、Huluは貴重な存在です。
ディズニープラスを併用している方
Huluとディズニープラスのセットプランを「割安だ」と感じる方にとっては、Huluを解約する理由は薄いでしょう。ディズニープラスが1000円弱~のサービスのため、Huluを「500円で使える」という見方も可能です。
Huluオリジナル作品のファンの人
Huluは独占配信作やオリジナル作品が少ないことは本記事でも触れてきたとおりですが、数が少ないからといって「質が低い」とは言えません。

たとえばHuluオリジナル『神の雫』(山下智久さん主演)は第52回国際エミー賞の「連続ドラマ部門」を受賞した作品で、国際的な評価が高いドラマです。
このほかにも『THE HEAD』シリーズなど、Huluオリジナルにはおもしろい作品が確実に存在します。それらを楽しんでいる方にとっては、Huluはおすすめサービスです。
Huluの解約手順
Huluの解約手順は以下の通りです。




なお、スマホアプリで登録した場合はApp StoreもしくはGoogle Playからサブスク解約をしましょう。
※サムネイル画像(Image:Diego Thomazini / Shutterstock.com)