「行けたら行く」というフレーズは、日本人の間で非常によく使われる曖昧な返答である。誘いに対して即答を避けつつ、断言もせず、相手との関係性を壊さない絶妙なニュアンスを含んだ表現だ。この“便利すぎる言い回し”を、視覚的に再現した動画がX(旧Twitter)で爆発的にバズっている。

投稿主はTaT(@TaT12364250)さん。「行けたら行くって言う奴の脳内を可視化してみたwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」というコメントと共に投稿された26秒の動画が、SNSユーザーたちの爆笑と共感を誘っている。
動画の内容はシンプルながら絶妙だ。ビー玉がクルーンの中を延々と回り、最終的に「行く」か「行かない」かのどちらかの穴へ落ちるという仕掛け。パチンコの演出装置のような緊張感を感じながら、決着の瞬間には思わず声が出る。その様子は、まさに“行けたら行く”と口にしながらも心の中では葛藤している私たちの脳内そのものであり、多くの共感を呼ぶ理由となっている。

この投稿はたちまち拡散され、26万件以上の「いいね」と10万件以上のリポストを記録。TaT(@TaT12364250)さんのセンスと観察眼に、多くのユーザーが称賛を送っている。
SNSユーザーの“共感と爆笑”の声が止まらない
TaT(@TaT12364250)さんの動画に寄せられたコメント欄には共感と爆笑の声が相次いだ。
「カイジ並みのドキドキ感 オチつきで、わろた」と評する声や、「天才ですか…」と称賛する声が並び、動画の完成度の高さを裏付けている。また、「行けたら行くというのは、行きたくないとはっきり言えない人が使う、やんわり断る常套句」といった分析も登場し、言葉の文化的背景を改めて考えさせられるような投稿も見受けられた。
中でも注目を集めたのが、「基本、行くつもりはないんだけど、断れない時は『行けたら行く』と言ってきた人生還暦…80%行かない」というコメント。この率直すぎる告白に、思わず「わかる」と頷いた人も多いのではないか。
動画が秀逸なのは、笑える演出でありながら、「本当は行く気があるのか?それとも最初から行く気はなかったのか?」という曖昧さの真理を突いている点である。日々のやり取りの中でつい使ってしまうこの言葉を、ここまで深掘りして見せた視点に、多くのユーザーがうなった。
「行けたら行く」は日本文化の象徴?
「行けたら行く」という言葉は、日本独自のコミュニケーション文化を象徴する表現でもある。YESでもNOでもなく、あえてグレーを選ぶ曖昧さ。それは時に礼儀であり、時に逃げでもある。TaT(@TaT12364250)さんの動画は、そんな曖昧な感情を、ビー玉という無機質な存在を通して描き出している点が秀逸である。
特にSNSという文脈でこの言葉が再解釈されている点が興味深い。スタンプひとつで感情を伝えられる時代にあっても、「行けたら行く」という曖昧語は、相変わらず私たちの口癖であり、心理的な逃げ道となっている。TaT(@TaT12364250)さんの動画は、こうした現代人の「言い訳の構造」をシンプルに、しかも笑いをもって可視化した点で高く評価されるべきである。
たかが言い回しだが、その奥には深い心理がある。誰もが見て笑って共感しつつも、少しだけ自分を省みたくなる、そんな絶妙な作品であった。
行けたら行くって言う奴の脳内を可視化してみたwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww pic.twitter.com/YVtdOhRZLs
— T a T (@TaT12364250) May 24, 2025
※サムネイル画像(Image:「TaT(@TaT12364250)」さん提供)