転職を考える際に「退職代行サービスを利用すると今後のキャリアに悪影響があるのでは」と不安に思う人もいるでしょう。そこでCAREER FOCUSが退職代行サービス利用後のキャリア変化について業界初の実態調査を行ったところ、その不安を覆す結果が明らかになりました。

転職成功率95.1%!と驚異の結果

退職代行サービスの市場拡大に伴い、利用後のキャリアへの影響を懸念する声があったものの、その後の転職成果やキャリア変化を定量的に調査した事例はこれまで存在しませんでした。
そこで、転職支援事業を展開する株式会社CAREER FOCUSは、2025年9月1日~10日にかけて、過去に退職代行サービスを利用したことがある男女400人を対象にキャリア実態調査を実施しました。
※最多の年齢層は30~35歳。
調査の結果、転職成功率は95.1%。転職活動期間は「1カ月以内」が最も多く42%、次いで「2カ月以内」が19%と、6割以上が2カ月以内に転職を成功させていることが明らかになりました。
では、転職後の年収にはどのような変化があったのでしょうか。
転職後、平均63.4万円の年収増加!

転職後の収入を尋ねると、年収を増加させることに成功した人は47.6%、年収維持は42.1%、年収減少は10.4%という結果に。年収の平均増加額は63.4万円、増加率は26.9%に達しています。
実際に退職代行サービスを利用した人は、どのような理由で利用してみようと考えたのかを尋ねると、「心身共に疲れていて、自分で退職したいと伝えることが難しかった。会社が人手不足で引き止められるから」(30~35歳・女性)、「とある方のせいで何人も人が辞めていって、それをずっと見てきて自分が耐えられなくなった。出勤することが怖くなり、退職代行を使うことを決意した」(26~29歳・女性)という心身の健康状態や人間関係を理由に挙げる声が多く寄せられました。
退職後について、「退職する前は心身共に疲れていたが、退職代行を利用して元気を取り戻すことができて、前向きに転職先で仕事をすることができた」(30歳・女性)、「退職後は視野が広がり、前向きな気持ちで転職活動ができた。新しい会社では年収も上がり、スキルも活かせる環境で結果的にキャリアアップにつながった」(35歳・男性)といった前向きな意見が目立ちました。
今回の調査から明らかになったのは、退職代行そのものに問題があるのではなく、むしろ会社組織のメンタルヘルスケアや職場環境に根本的な課題があるという点です。
実際のデータからも、多くの人が短期間で転職に成功し、年収も増加していることが示されており、「退職代行を利用するとキャリアに悪影響がある」という一般的な懸念は払拭されたといえるでしょう。
仕事は人生の大半を費やす場所です。耐えるだけの日々よりも、前向きに取り組める環境を誰もが望むはずです。より良い環境を求めて転職を考えることは決して後ろ向きではなく、退職代行サービスもそのための有効な選択肢の一つです。
出典:【CAREER FOCUS】
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