
毎日の調べものや文章作成に、ChatGPTを”タダで”使っている方は多いのではないでしょうか。
そのChatGPTに、2025年2月から広告が表示されることが正式に発表されました。「無料だからしかたない」と思う方もいるでしょう。しかし、問題はそこまで単純ではありません。AIチャットに広告が入ることは、私たちの”考える道具”の中立性にどんな影響を及ぼすのか。そして、競合のAnthropicが即座に「広告なし」を宣言した裏には何があるのか。
今回は、この動きの背景と、ユーザーとして今すぐ知っておくべきことを整理します。
そもそも何が起きた? ChatGPT広告の中身を整理する
OpenAIが2月11日(米国時間)に発表した内容のポイントは、以下の通りです。

OpenAIは「広告がChatGPTの回答内容に影響を与えることはない」と主張しています。しかし、ここは額面通りに受け取ってよいのか、少し立ち止まって考える必要があります。
なぜOpenAIは広告に踏み切ったのか。「赤字」という現実
OpenAIが広告を導入した最大の理由は、同社がいまだに黒字化できていないという事実です。
ChatGPTは全世界で数億人が利用するサービスですが、AIの推論処理には膨大なGPU(高性能半導体)が必要で、1回の質問に対するサーバーコストは従来の検索エンジンとは比較にならないほど高額です。無料ユーザーやGoプランのユーザーが増えるほど、OpenAIのコスト負担は重くなります。
つまり、「無料で使えるのが当たり前」だった時代が終わりつつあるのです。
これはChatGPTに限った話ではありません。GoogleもAI検索「AI Overview」に広告を組み込み始めており、”AIサービスの収益化”は業界全体のトレンドです。無料のAIサービスは、遅かれ早かれ「広告モデル」か「値上げ」のどちらかに進まざるを得ない——これが現実と言えるでしょう。
競合Anthropicは「広告なし」を宣言、ユーザーはどう選ぶべき?
この動きに対し、ChatGPTの最大の競合であるAnthropic(AIチャット「Claude」の開発元)は、スーパーボウルのCM枠でOpenAIの広告導入を名指しで批判し、「Claudeとの会話に広告を入れる場所はない」と宣言しました。
これは単なるライバル叩きではなく、AIチャットのビジネスモデルを巡る根本的な思想の違いを示しています。
・OpenAI方式:無料ユーザーを広告で収益化し、広告なしは有料プランの「特典」として差別化
・Anthropic方式:広告を一切排除し、サブスクリプション(課金)中心で運営
どちらが正しいという話ではありませんが、ユーザーとして意識すべきは「無料で使うということは、自分のデータや注意力が”対価”になっている」という点です。これはGmailやYouTubeなど、私たちがすでに慣れ親しんだ構図でもあります。
無料で使い続ける? 課金する? 判断のポイント

本当に怖いのは「広告そのもの」ではない
正直なところ、広告が表示されること自体は、多くのユーザーにとって致命的な問題ではないでしょう。YouTubeもGmailも広告だらけですが、私たちは日常的に使い続けています。
筆者が本当に気になるのは、「AIの回答が広告に引っ張られないか」という点です。
OpenAIは「広告は回答に影響しない」と明言しています。しかし、たとえば料理の話をしているときに特定のミールキットブランドの広告が横に表示されていたら、ユーザーの意思決定には間接的に影響するはずです。これは「回答の中身が変わる」こととは別次元の問題であり、AIチャットという”信頼できる相談相手”に広告が隣接する構造そのものが、中立性への信頼を揺るがしかねないのです。
もう一つ注目すべきは、「パーソナライズのデフォルト設定」です。今回の仕様では、会話トピックや過去のチャット履歴が広告のターゲティングに初期状態で利用される設定になっています。自分で無効化しなければ、日々の会話内容が広告最適化に活用され続けることになります。
今すぐやっておきたい3つのこと
1. 広告パーソナライズの設定を確認する ChatGPTの設定画面から、広告のパーソナライズを無効にできます。「自分の会話内容を広告に使われたくない」という方は、早めにオフにしておきましょう。
2. 広告データの削除オプションを把握する OpenAIは広告関連データの削除機能を提供するとしています。定期的に確認し、不要なデータは消す習慣をつけると安心です。
3. 自分にとっての「AIチャットの価値」を見直す 月に何十回もChatGPTを使っているなら、月額約3,000円のPlusプランは十分に元が取れる可能性があります。逆に、たまにしか使わないなら広告付きの無料プランで割り切るのも合理的です。あるいは、広告のないClaudeに乗り換えるという選択肢もあります。大事なのは、「なんとなく無料で使い続ける」のではなく、自分で選んでいるという意識を持つことです。
出典:【MacRumors】
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