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ディズニーキャラのAI生成なぜNG? 裏にある「1500億円契約」の正体

禁止マークとAI生成キャラ風シルエットのサムネイル画像
(画像はスマホライフPLUS編集部作成)

あなたがSNSで見た「AIエルサ」、もう作れません

「AIにお願いしたら、ディズニーのキャラクターがリアルな写真風に出てきた!」

そんな投稿をSNSで見かけたことはないでしょうか。GoogleのAI画像生成ツール「Gemini」や「Nano Banana」を使えば、誰でも簡単にヨーダやエルサ、アイアンマンといったキャラクターの画像を生成できていました。

ところが2025年に入り、状況は一変しています。同じプロンプト(AIへの指示文)を入力しても、「サードパーティのコンテンツプロバイダーの懸念により、このリクエストには応じられません」という拒否メッセージが返ってくるようになったのです。

きっかけは、ディズニーがGoogleに送りつけた32ページにも及ぶ法的警告書(シーズ・アンド・デシスト・レター)。その中でディズニーは、GoogleのAIモデルを「無許可の”バーチャル自動販売機”」と痛烈に批判しました。

これは単なる企業同士の争いではありません。私たちがAIで「何を作れて、何を作れないのか」のルールが、今まさに書き換えられようとしているのです。

 

そもそも何が起きた? ディズニー vs Google、対立の背景

ディズニーがGoogleに対して法的警告を送ったのは2024年12月のことです。その主張は大きく3つに整理できます。

1つ目は「無断複製」の問題です。 ディズニーは、GoogleのAIが著作権で保護されたキャラクターの画像を大量に”再生産”していると主張しました。ユーザーが「エルサを描いて」と入力するだけで、ほぼ公式と見分けがつかない画像が出力される状態は、事実上の無許可複製だというわけです。

2つ目は「学習データ」の問題です。 ディズニーは、GoogleのAIモデルがディズニーの著作物を無断で学習に利用していると指摘しました。これに対しGoogleは「モデルは公開されたウェブデータで学習している」と反論しています。しかし、ウェブ上にはディズニーキャラクターの画像が大量にあるため、”意図せず学習してしまう”のは避けがたい現実です。

3つ目は「対応の遅さ」です。 ディズニーは「数カ月前から懸念を伝えていたが、実質的な進展がなかった」と不満を表明しています。つまり、今回の法的警告は”最後通告”に近い性質のものだったと考えられます。

Googleはこれを受け、YouTubeの「Content ID」のような著作権管理の仕組みをAI画像生成にも導入する方針を示し、フィルターの強化に動きました。

 

“なんでもアリ”の終焉——ユーザーにとって何が変わるのか

今回の一件で見えてきたのは、AI画像生成が「著作権者がコントロールする世界」へ移行しつつあるという大きな流れです。

ここで注目したいのが、ディズニーの”もう一つの顔”です。ディズニーはGoogleを法的に攻撃する一方で、OpenAIとは約10億ドル(約1,500億円)規模のライセンス契約を結んでいます。この契約により、OpenAIの動画生成AI「Sora」ではディズニーキャラクターを”公認で”使えるようになる見込みです。

つまりディズニーの本音は「AIにキャラクターを使うな」ではなく、**「使うなら金を払え。許可なく使うな」**ということ。AIそのものを否定しているわけではないのです。

この動きが広がると、私たちユーザーにとっては次のような変化が起きる可能性があります。

使えるAIツールが”版権ごと”にバラバラになる。 例えば「ディズニーキャラはOpenAIでしか作れない」「ジブリ風はGoogleだけOK」といった具合に、プラットフォームごとに”使えるIP(知的財産)”が異なる世界になるかもしれません。まるで動画配信サービスの独占配信のような状況です。

無料で遊べる範囲が狭まる。 著作権のフィルターが厳しくなれば、有名キャラクターはもちろん、”似ているだけ”のオリジナルキャラクターの生成も拒否される可能性があります。すでにGoogleのツールでは、バズ・ライトイヤーの写真をアップロードして「フィギュア風に」と指示する”抜け道”が見つかっていますが、こうした穴も順次ふさがれていくでしょう。

有料ライセンス付きの「公式AI画像」が主流になる。 逆に言えば、正規にお金を払ったプラットフォームでは、高品質な公式キャラクター画像を”堂々と”作れるようになります。ただし、その利用にはサブスクリプション費用が上乗せされることは確実です。

筆者の見立て——「AI画像の動画配信化」が始まった

正直に言えば、今回の動きは遅かれ早かれ来るべきものが来たという印象です。

AI画像生成ツールがこれまで著作権キャラクターを”野放し”にできたのは、法整備と企業の対応が追いつかなかっただけ。技術的に可能だからといって、権利者が黙っているわけがありません。

筆者が注目しているのは、今後「AI画像生成の”Netflix化”」が進むのではないかという点です。Netflix、Amazon Prime Video、Disney+が配信作品の囲い込みを行っているように、AI画像の世界でも「どのプラットフォームが、どのIPを持っているか」で競争が始まる可能性があります。

ユーザーとして今のうちにやっておきたいことは次の通りです。

AIで生成した著作権キャラクター画像をSNSや商用で使っている方は、今すぐ取り下げを検討してください。 今後、著作権者側が”生成画像の利用者”まで追いかけてくる可能性はゼロではありません。「AIが作ったから自分の責任ではない」は通用しない時代に入りつつあります。

また、AIで画像を作ること自体を楽しんでいる方は、オリジナルのキャラクターやデザインで創作する方向にシフトするのが賢明でしょう。著作権フィルターに引っかからない”自分だけの作品”なら、今後も自由に楽しめます。

AI画像は便利で楽しいツールですが、”誰かの権利の上にタダ乗りしていた”という現実を、私たちは今こそ認識すべき時期に来ているのかもしれません。

出典:【Techrader

※サムネイル画像はスマホライフPLUS編集部が作成しています。

スマホライフPLUS編集部

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