コロナ禍での巣ごもりをきっかけに、急成長した定額制動画配信サービス。GEM Partners（ジェムパートナーズ）の調査によると、現在は国内市場が飽和状態となり、成長の鈍化が見られたという。そんな中、順調にシェアを拡大しているのがU-NEXTだ。その人気の秘密を探ってみよう。
サブスク動画配信サービス シェア率1位はNetflixだが、2位のU-NEXTが迫る勢い
「定額制動画配信（SVOD）のサービス別国内市場シェア推移」は、GEM Partnersや総務省、米国The Digital Entertainment Groupの調査データのほか、各社のIRや報道発表資料をもとに算出された。2024年の定額制動画配信（SVOD）サービスの国内市場規模（消費者が定額制動画配信サービス事業者に支払った金額の総額のみカウント、広告収入などは含めず）は、前年比4.1%増の推計5,262億円だった。コロナ禍から毎年、前年比10%以上の急成長が続いたものの、2024年は前年比4.1%増と10%を割り、成長の鈍化が見られるように。
シェア率トップは、「愛の不時着」「イカゲーム」など、人気韓国ドラマを独占配信する「Netflix」。2024年は21.5%と全体の約2割を占め、6年連続で首位をキープしたものの、前年比-0.4ptと3年連続でシェア率が低下した。
一方で、Netflixに迫る躍進を見せたのが2位の「U-NEXT」で、シェア率が17.9%と前年比より＋2.7ptアップした。シェア率拡大の要因として、2023年6月に「Paravi」と統合し、会員数が増えたことが推察されるが、人気の理由は他の要因もありそうだ。
では、U-NEXTにはどのような特徴があるのだろうか。
作品数の多さと豊富なコンテンツが魅力のU-NEXT、独占配信の「プレミアリーグ」も話題に
もともと作品数の多さに定評があるU-NEXTだが、Paraviと統合したことで、国内ドラマやバラエティも充実。現在は国内外の映画やドラマ、アニメなど、32万本以上の作品が見放題だ。
サッカーや野球、格闘技など、さまざまなスポーツのライブ配信も取り扱っており、特に世界屈指の人気を誇るイングランドのサッカーリーグ「プレミアリーグ」は、U-NEXTの独占配信。月額2,600円（税込）の「U-NEXTサッカーパック」に加入すると、迫力の試合中継を観ることができる。
月額料金は2,189円（税込）と、他のサブスクより1.5倍から2倍ほど高いものの、毎⽉もらえる1,200円分のポイントは、最新映画のレンタルやマンガの購⼊に使えるほか、翌月に持ち越すことも可能（※最⼤90⽇まで）。また、ファミリーアカウントとして最⼤4つのアカウントが作れるため、家族4⼈だと、1⼈あたり実質約500円で利用できる。
他にも、最新号の雑誌や児童書が読み放題と、豊富なラインアップのU-NEXT。価格競争ではなく、作品数やコンテンツの充実度で差別化を図った点が奏功し、会員数の増加につながったと言えるのかもしれない。
出典:【GEM Standard】
※サムネイル画像（Image:Shutterstock.com）※画像は一部編集部で加工しています
