検索エンジンで「テキストでの検索」をすることに、面倒くささを感じる方は意外に多いのでは?
たとえば米マーケティングプラットフォームSOCIの調査では、18歳~24歳の若者世代が検索で使うツールの1位はInstagram、2位がTikTok。SNSが検索エンジン代わりになっている傾向が明らかで、従来は検索エンジンの王者だったGoogleは3位となっています。
一方、Google側も単語や自然言語ではない検索に対応しています。たとえば2017年から「Googleレンズ」の提供を開始しており、2025年現在もサービスが継続しています。カメラを向けるだけで、ビジュアル検索やより複雑な質問にも回答可能です。
そこで今回は、今更聞けない「Googleレンズ」によるビジュアル検索の方法を解説します。
2017年頃に一度はGoogleレンズを試したものの「あまり面白くない」「普通のテキスト検索で良い」と感じた方でも、2025年現在改めて試すと、その性能の高さを感じられるはずです。
Googleレンズが便利な場面とは?
Googleレンズはスマホのカメラや画像を利用して、目の前にあるものや画像を認識し、それに関連する情報を検索するサービスです。「名前は分からないけど目の前の鳥の名前を知りたい」という場合、カメラをかざすだけでその鳥の情報を得ることができます。

同様にたとえば友人の持ち物を撮影すると、そのブランドや購入リンクが検索結果に表示されます。

このスマホケースをテキストで検索したい場合、思いつくのは「全体がえんじ色 側面は黒 上部に3つの穴 iPhoneケース」といった検索ワードですが、筆者が確認した限りではこの商品は出てきませんでした。つまり、Googleレンズでの検索の方がより正確な場合があるといえます。
こうしたビジュアル検索の精度は年々上昇しており、近年は買取業者の鑑定士が実務でGoogleレンズを使用するケースも増えています。たとえば外箱がなく、型番も不明な製品でもカメラで撮影してビジュアル検索を行うことで、それがいつどの企業から発売されたものか判定できるケースがあるためです。
ビジュアル検索の基本的な手順
Googleレンズを使ったビジュアル検索の基本的な手順をご紹介します。
まずはGoogleアプリを開きます。

ショッピング機能の充実も強く期待される
こうしたGoogleレンズの充実に伴い、一層の機能拡張が期待されるのが「ショッピング関連」。たとえば特定の商品の画像を撮影することで、同様の商品をオンラインで探すことができ、価格比較や購入の手続きがスムーズに行えます。お店の棚にある商品が「本当に安いかどうか」などの判断がしやすくなるでしょう。

Googleショッピングとの強い連携や、最安値のECサイトへと遷移するリンクなどがより充実すると非常に便利でしょう。
Googleレンズで「故障した家電の動画を撮影して修理方法を検索」も可能に
先にご紹介した手順は写真・画像での検索ですが、動画での検索にも段階的にGoogleは対応し始めています。Googleの試験運用機能プログラム「Search Labs」に登録していると、動画からの音声検索が可能です。
これはGoogleレンズを長押しして動画を撮影し、質問を投げかけると検索結果が表示されるというもの。なお、2025年1月現在は英語にのみ対応しています。
こうした機能拡張により、たとえば今後、故障した家電の動画を撮影して修理方法を尋ねて検索するなど、より高度な検索体験が可能になる可能性があります。
GoogleレンズとChromeの連携も地味にすごい
ここまでにご紹介した機能よりは地味ですが、Googleレンズは「Chrome」との連携も強めています。同機能は一言で言えば「地味に便利」です。
2024年8月にChromeはGoogleレンズとの連携を発表。これにより、Chromeアプリ上からGoogleレンズが使えるようになりました。

記事内にある画像を選択して検索したり、個人のブログを読んでいるときなどに「ここに映っているこれは何だろう」と気になった際に長押しして調べるといったことが可能になりました。自分で撮影した写真や動画に限らず、幅広い視覚的なものをトリガーに検索しやすいので便利です。
ビジュアル検索はテキスト検索よりも、より早く正確な情報を得ることができることもあります。これまでは「検索と言えばテキスト」でしたが、画像や動画からのビジュアル検索や、それに音声を加えた検索方法が当たり前の世界は近づきつつあるといえるでしょう。