ポケベルの「0204」番号を利用していた方はこの記事をお読みの方の中にも多いのでは?
もっとも「090」「080」「0120」「0800」「+86」や「+1」に比べると、近年は「020番号」を目にする機会は大きく減ったでしょう。
しかし、実は「020」から始まる電話番号はいまも現役で使用され続けており、M2M(機械間通信)専用のデータ通信番号としての需要が拡大。むしろその需要は増しています。

今回はポケベル向け番号として愛され続けてきた「020」の現在について紹介します。
ポケベル向け番号『0204』の歴史

まず「0204」番号帯は主に1990年代において、発信者課金ポケベル(呼出し側が通話料を負担するサービス)に割り当てられた番号として有名です。NTTドコモの「ゼロニード」や東京テレメッセージの「ゼロプラン」が代表例で、契約者に基本料金がかからない点が特徴でした。しかし携帯電話の普及により需要が激減し、東京テレメッセージは2019年に個人向けサービスを終了しています。
なお、ポケベルそのものは2019年9月に一般向けのサービスは終了していますが、ポケベルの電波(280MHz)は現在でも防災無線向きの文字通信として活用されています。
『0204』と『020番号帯』の関係性

先述してきた通り、「0204」番号はポケベルに割り当てられた電話番号ですが、そもそも、現在の「020番号帯」運用体系の中で特殊な位置づけとなっています。
2017年に施行された総務省の規制改正では020番号帯全体がM2M(機械間通信)専用として再編されましたが「0204」と「0200」のみが例外として除外されました。その理由には、やはり0204番号帯が1990年代からポケベルやD-FAX向けの「発信者課金無線呼出しサービス」で使用されていることが挙げられます。
現在の『020番号帯』の主な用途
先ほど、2025年現在における020番号帯の中で「0204」はいわば例外的な位置づけであるという趣旨のことを述べました。ではそのほかの020番号帯は、いま何に使われているのでしょうか?
結論から言えば「020」から始まる電話番号は現在、M2M(Machine to Machine)やIoTデバイス向けのデータ通信専用として設計されています。

そもそもM2Mとは、機械同士がネットワークを介して情報をやり取りし、自動的に制御を行う技術のこと。
たとえば自動販売機の在庫管理、スマートメーター、デジタルサイネージなどの機器間通信に利用され、音声通話やSMSは基本的に利用できません(一部例外あり)。
総務省が2017年に制度化した背景には、従来の携帯電話番号(090/080/070)の枯渇対策と、IoT機器の増加に対応する必要性があったと考えられます。
020番号の桁数について
020番号は当初11桁(例:020-1234-5678)でしたが、2021年からは14桁の新規格が導入されました。これは番号資源の枯渇対策として実施された措置です。新旧番号は併用可能ですが、新規契約では14桁が基本となっています。
ちなみに『020』電話番号に電話をかけるとどうなるのでしょうか?
「020」番号は原則として通話機能を持たないため、発信しても接続されません。例外としてインターネットFAXサービス用に利用されるケースがありますが、一般ユーザーが日常的に接触する機会は稀。OCNひかり電話などのIP電話サービスでは、020番号への発信自体が技術的にブロックされる仕様になっています。
また、誤って着信があった場合でも、通話料金が発生しない仕組みです。ただし稀に金融機関の自動通知などに使われる可能性があるため、不審なメッセージが残っていた場合は公式連絡先への確認がおすすめです。
※サムネイル画像は(Image:「写真AC」より引用)