「新築マンションは価格が上がりすぎて、とても手が出ない」——住まいの購入は家計に直結する大きな判断だけに、予算との折り合いがつかない不安は切実です。
こうした状況のなか、あえて新築ではなく「中古マンションを買ってリフォームする」という選択肢が広がりつつあります。リフォーム一括見積もりサービス「リフォームガイド」を運営するあなぶきデジタルサービス株式会社が、直近3年以内に中古マンションを購入しリフォームした25〜69歳の男女198人を対象に、インターネット調査を実施しました(アンケート実施日:2026年2月3日〜2月10日)。
この記事では、同調査の結果をもとに、中古+リフォームのリアルな費用感や、経験者が「もっと確認しておけばよかった」と感じたポイントを整理していきます。

新築が高すぎて買えない? 中古マンション+リフォームを選ぶ人が増えている理由
新築マンション価格の高騰が続くなか、中古マンションを選ぶ理由として最も多いのは「価格」です。国土交通省の「令和6年度 住宅市場動向調査」によると、中古マンション(既存中古集合住宅)を購入した世帯の約75.7%が「予算的に手頃だったから」を選択理由に挙げています。
新築に手が届かないから仕方なく——というだけでなく、中古物件を買い、リフォームで住み心地を整えるという選択肢を積極的に選ぶ人が増えていることも、今回の調査からうかがえます。
では、実際にこの選択をした人たちは、どんな物件をいくらで買い、何に後悔したのでしょうか。198人の回答を順に見ていきます。
経験者198人が選んだ築年数は? 約6割が「築20〜40年」を購入
「中古マンションを買うとして、築何年くらいの物件が狙い目なのか」——これは多くの方が最初に悩むポイントでしょう。
調査で最も多かった回答は「築20年以上30年未満」で72人(36.4%)。次いで「築30年以上40年未満」が47人(23.7%)でした。つまり全体の約6割が、築20年以上40年未満の物件を選んでいます。
なぜこの築年数帯に集中するのか。こうした物件は新築時と比べて価格が下がっている一方で、適切なリフォームを施せば快適な居住性を確保できる状態であることが多いと考えられます。
言い換えれば、「安く買えるのに、手を入れれば十分住める」という、価格と住み心地のバランスが取りやすい築年数帯だということです。物件選びの判断軸のひとつとして参考になる数字といえます。
物件価格とリフォーム費用はいくらかかった? 約8割が4,000万円未満で購入
「中古マンション+リフォーム」に興味はあっても、実際にどれくらいの費用がかかるのかが分からないと、なかなか踏み出しにくいものです。調査結果から、購入費用とリフォーム費用の実態を確認してみましょう。
物件の購入価格
最も多かった回答は「2,000万円未満」で65人(32.8%)。次いで「3,000〜4,000万円」が56人(28.3%)でした。全体では約8割が4,000万円未満で物件を取得しています。
リフォームにかけた費用
リフォーム費用は約7割が500万円未満と回答しています。予算帯ごとに、実施した工事の内容にも違いがありました。
300万円未満の場合——水回り(キッチン・ユニットバス・トイレなど)の交換と、壁紙・床の張り替えが上位を占めます。日常的に使う頻度が高い箇所を優先する傾向が見られます。
300万円以上500万円未満の場合——水回りや壁紙・床に加え、間取り変更や収納まわりに着手する人も増えてきます。暮らしの使い勝手そのものを見直す工事にも手が届くようになります。
経験者の多くが物件購入費を抑えつつ、予算に応じて優先度の高い箇所からリフォームを実施していることが分かります。「まず水回りだけ」「余裕があれば間取りも」という段階的な考え方は、自分の予算感と照らし合わせるときの目安になるでしょう。
年代で違う「中古を選んだ本音」――立地重視? 縁とタイミング?
「中古マンション+リフォーム」を選んだ理由は、年代によってはっきり分かれています。自分と近い世代の傾向を知ると、物件選びの優先順位を整理しやすくなります。
20代——「自分好みの間取りやデザインにしたかったから」が最多回答でした。妥協ではなく、理想の空間づくりとして中古+リフォームを選んでいる傾向がうかがえます。ただし回答者数が少数のため参考値です。
30〜40代——1位は「新築が高くて予算オーバーだった」、2位は「希望のエリア(立地)に新築がなかった」。価格だけでなく立地を重視して選ぶ傾向が見られます。特に40代は、物件購入費・リフォーム費ともに高い価格帯への回答が他の年代と比べて多く、住まいにかける予算規模が大きい傾向がありました。
50〜60代——「偶然条件に合う物件を見つけた」が上位に挙がっており、タイミングや縁を重視する傾向が見られます。物件価格・リフォーム費用ともに低価格帯への回答が多く、必要最小限の投資で実施するケースが目立ちます。
ライフステージによって、「予算の壁」「立地の制約」「偶然の出会い」と、中古を選ぶ決め手は異なります。住まい選びで何を最優先にするかを整理しておくと、物件情報を見たときに判断がぶれにくくなるはずです。
経験者が「もっと確認すべきだった」と後悔したポイントとは?
中古マンションを買ってリフォームした経験者198人に「今思えば、もう少し確認しておきたかった」ことを聞いた結果、物件購入前とリフォーム依頼前で、それぞれ明確な傾向が見えてきました。
【物件購入前】後悔ランキング
1位:給排水管の老朽化など、目に見えない隠れた不備の確認(71人/35.9%) 2位:大規模修繕の履歴や、修繕積立金の今後の値上がり予定(65人/32.8%) 3位:希望のリフォームができる物件かどうか(64人/32.3%)
壁の中や床下の配管など、内見だけでは分からない部分が後悔の最大要因です。目に見えない部分の老朽化リスクは築年数が古い物件ほど高く、購入前にインスペクション(住宅診断)を活用することが、こうした見えない不安を減らす手段のひとつとして有効とされています。
【リフォーム依頼前】後悔ランキング
1位:提示された見積もり金額が、相場に対して妥当かどうか(86人/43.4%) 2位:マンションリフォームの実績や、特有の構造・規約への詳しさ(59人/29.8%) 3位:アフターサービスや、工事後の保証内容の充実度(57人/28.8%)
リフォーム側では「金額が適正だったのか分からない」という不安が突出しています。複数のリフォーム会社から見積もりを取り、内容と金額を見比べることが、こうした不安を和らげる方法のひとつといえます。
結局、どうすればいい? 中古マンション+リフォームで後悔しないための確認リスト
ここまで見てきたとおり、築20〜40年の物件を中心に購入費を抑え、リフォームで住み心地を整えるという選択は定着しつつあります。一方で、経験者が「もっと確認すべきだった」と後悔したポイントは、大きく2つに集約されていました。
物件購入前——給排水管など、目に見えない箇所の状態確認 リフォーム依頼前——提示された見積もり金額が、相場に対して妥当かどうか
どちらも事前に対処できる問題です。調査結果からは、物件選びの段階での確認と、複数のリフォーム会社への見積もり依頼が、後悔なく進めるための鍵になることが示されています。
「価格が手頃だから」と飛びつく前に、目に見えない部分のリスクと費用の妥当性——この2点だけでも意識しておくと、あとから「こんなはずでは」と感じる可能性を減らせるはずです。中古マンション+リフォームを検討しているなら、まずはこの2つの確認から始めてみてください。



