「行政がAIを使い始めたらしいけれど、届け出や申請で渡した個人情報はどうなるのだろう」──そんな不安を感じた方は少なくないはずです。
2026年5月、デジタル庁がガバメントAI「源内(げんない)」の大規模実証を開始しました。最終的な対象は全府省庁の約18万人の政府職員で、2027年3月まで実施される予定です。行政の現場でAIが動き始めたとなれば、個人情報の扱いが気になるのは当然のことでしょう。
ただし、現時点では個人情報の取り扱いに関する詳細がデジタル庁の公式発表で十分に示されていません。この記事では、公式に確認できる事実を整理したうえで、「何が分かっていて、何がまだ分かっていないのか」を区別し、今の段階で意識しておきたいポイントを取り上げます。

ガバメントAI「源内」とは?デジタル庁が公表している内容を確認
「政府がAIを使い始めた」と聞いても、具体的に何のことなのかイメージしにくいかもしれません。まずは、デジタル庁が公式に発表している内容だけを整理します。
「源内(げんない)」とは、デジタル庁がガバメントAIに係る取組の一環として構築・運営してきた生成AI利用環境のことです。生成AIとは、文章や要約などを自動で作成できるAI技術を指します。
もともとデジタル庁全職員が利用できる環境として構築されていた 2026年5月より大規模実証実験を開始した
つまり源内は、デジタル庁の内部で運用されていた仕組みを、より広い範囲の政府職員に展開する段階に入ったということです。行政の業務で使われるAIがどのような情報を扱うのかは、行政サービスを受ける側にとっても無関係ではありません。今後の公式発表で、対象範囲や運用の詳細がどう示されるかを注視しておくことが大切です。
いま何人が使える?対象範囲と今後のスケジュール
「行政がAIを使い始めた」と聞いても、どのくらいの規模なのかが分からなければ判断のしようがありません。デジタル庁が公表している利用人数と拡大予定を整理します。
5月29日時点:約10万人の政府職員がガバメントAI「源内」を利用可能な状況です。 今後の予定:順次対象府省庁・職員数を拡大し、全府省庁の約18万人が利用できるよう環境整備を進めるとされています。
現時点では最終的な対象人数の半数強がすでに利用できる段階にあり、残りの約8万人分は今後段階的に広がっていく計画です。実証期間は2026年5月から2027年3月までが予定されています。
ただし注意しておきたいのは、対象範囲や時期は順次変更される可能性があるという点です。今回の発表でも、どの省庁がいつ加わるかという具体的な期限までは示されていません。「いつ・どの省庁まで広がるのか」は、続報を待つ必要があります。
行政サービスを受ける側にとっては、届出や相談がAIで処理される場面が今後増える可能性があるということです。まずは「すでに10万人規模で動き始めている」という現状を押さえておきましょう。
行政がAIを使うと、自分の個人情報はどう扱われる?
行政がAIを本格的に使い始めたと聞くと、「届け出で渡した情報がAIに読み込まれるのでは?」と気になるのは自然なことです。2026年5月28日付のデジタル庁の公式発表から、分かることと分からないことを分けて確認します。
公式発表で分かっていること
実証の開始時期(2026年5月)と当面の利用規模(5月29日時点で約10万人)が示されている 参考資料として「ガバメントAI源内の展開状況(PDF)」が同時に公開されている
まだ分かっていないこと
今回の公式発表(2026年5月28日付)の本文には、源内が扱うデータの範囲や個人情報の取り扱い詳細に関する具体的な記載は確認できません。行政の窓口で提出した書類や届出の内容がAIでどう処理されるのかは、この発表だけでは判断できない状態です。
「自分の情報は大丈夫なのか」という疑問に対して、現時点では公式発表の範囲だけで安心とも危険とも言い切れません。今後デジタル庁から追加の情報が出る可能性があるため、続報を確認することが重要になります。
公式発表でまだ明らかでない点は?確認すべき3つのポイント
ガバメントAI「源内」の大規模実証が始まったことは分かりましたが、公式発表の本文だけでは読み取れない部分も残っています。「自分の情報は大丈夫なのか」と気になる場合、次の3つの観点を押さえておくと、今後の続報を読むときに判断しやすくなります。
【1】対象範囲や時期は今後変わる可能性がある 公式発表では、順次対象府省庁・職員数を拡大していくとされています。どの省庁がいつ加わるかは現時点で確定していません。対象が広がれば扱われる業務の種類も変わり得るため、範囲がどう動くかは注視しておきたいポイントです。
【2】源内で扱われるデータの種類や個人情報保護の具体的な運用が詳述されていない 公式発表の本文では、AIがどのようなデータを処理し、個人情報をどう保護するのかについて詳しい説明がありません。行政手続きには住所や氏名などの個人情報が含まれることも多いため、この点が明確になるかどうかは大きな関心事です。
【3】続報や参考資料はデジタル庁の公式サイトで確認できる デジタル庁の公式サイトには参考資料のPDFや関連情報へのリンクが掲載されています。上記のような未確定事項が更新される場としては、まずこの公式サイトが基本になります。
現時点で「よく分からないから不安」という段階にあるのは自然なことです。大切なのは、何が未公開なのかを把握しておき、続報が出たときに自分で判断できる状態にしておくことでしょう。
結局、どうすればいい?今の段階でやっておくこと
「行政がAIを使い始めたなら、自分の個人情報はどう扱われるのか」──そう感じるのは当然です。ただし、今回の発表はあくまで大規模実証の開始であり、本格運用とは段階が異なります。現時点で過度に心配する必要はありませんが、だからこそ「今できること」を押さえておきましょう。
デジタル庁の公式サイトで最新情報を確認する対象範囲や時期は今後変更される可能性があります。続報が出たときにすぐ確認できるよう、サイトの場所を知っておくだけでも違います。
個人情報の取扱いに不明点があれば、各府省庁の窓口に問い合わせる 行政手続きで提出する個人情報について気になることがあれば、該当する府省庁の窓口へ直接聞くのが確実です。
大切なのは、「よく分からないから不安」を「公式情報を見て判断できる」に変えることです。実証段階の今だからこそ、慌てず、公式の発表を追いかける習慣をつけておきましょう。
出典:全府省庁の約18万人の政府職員を対象としたガバメントAI(源内)の大規模実証を開始しました|デジタル庁
参考:全府省庁の約18万人の政府職員を対象としたガバメントAI(源内)の大規模実証を開始します|デジタル庁、ガバメントAI「源内」|デジタル庁、ガバメントAIで試用する国内大規模言語モデル(LLM)の公募結果|デジタル庁



