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あなたの病歴、誰が管理する? 国主導「標準型電子カルテ」で変わる3つのこと

病院で受付をするたびに、「自分のカルテはどこに保管されているのだろう」「情報が漏れたりしないだろうか」と気になったことはないでしょうか。医療情報は、病歴や処方内容など極めてプライベートな内容を含むため、不安を感じるのは当然です。

いま、デジタル庁が「標準型電子カルテ導入版」の設計・開発を進めています。電子カルテとは、紙のカルテの代わりに診療内容をデジタルで記録・管理するしくみのことです。国が主導して「標準型」をつくるという動きは、今後の医療情報の扱い方に影響する可能性があります。

この記事では、デジタル庁が公開している情報をもとに、標準型電子カルテとは何か、何を目指しているのか、プライバシーに関してどんな点が論点になるのかを整理します。ただし、現時点ではまだ開発段階であり、具体的にどの医療機関でいつから使われるのか、個人の情報がどのように守られるのかといった詳細は、今後の公式発表を待つ必要があります。

 

あなたの病歴、誰が管理する? 国主導「標準型電子カルテ」で変わる3つのことの画像1
(画像はスマホライフPLUS編集部作成)

 

デジタル庁が進める「標準型電子カルテ」とは何か

病院で受診するたびに記録される診療情報――処方の内容や検査結果などが、将来どのように管理されるのかは、通院する立場にとって気になるテーマです。

デジタル庁は「標準型電子カルテ導入版」の設計・開発にあたり、プロダクトワーキンググループ(PWG)構成員の募集を開始しました。PWGとは、技術仕様について意見を出し合う作業チームのことです。この募集は令和8年度(2026年度)の構成員に関するもので、2026年4月10日に開始が告知されました。

標準型電子カルテは、令和6年度(2024年度)にα版の開発に着手し、一部の医療機関で試行的に導入する取り組みが進められてきました。今回の募集は、その次の段階にあたる「導入版」の設計・開発に向けたものです。つまり、システムが完成して全国の医療機関で使われているわけではなく、段階的に開発が進められている途中だということです。なお、政府の「医療DXの推進に関する工程表」では、遅くとも2030年ごろまでに、概ねすべての医療機関で標準化された電子カルテの導入を目指すとされています。

・デジタル庁が設計・開発を主導している

・標準型電子カルテは段階的に開発が進められており、現在は「導入版」のフェーズにある

・導入版のPWG構成員募集は2026年4月10日に始まった

自分の診療情報がどう扱われるかに関わるテーマだけに、今後の動きを注視しておく価値があります。

 

新しい電子カルテで何が変わる?公式発表から分かる3つの目標

デジタル庁が進めている標準型電子カルテは、開発段階で3つの方向性が示されています。病院やクリニックを利用する立場として、自分の診療情報がどう扱われるかに関わるポイントなので、整理しておきましょう。

【1】日常の診療業務をスムーズにする機能・UXを目指す

デジタル庁の公募資料では、提供する医療機関の利用者が業務(処方、検査、診療情報提供書の発行等)をスムーズに行える機能やUXを目指すことが挙げられています。UX(ユーザーエクスペリエンス)とは、システムを使うときの操作感や使いやすさのことです。処方や検査の流れが変わる可能性があるため、通院先での手続きにも影響が出てくるかもしれません。

【2】他の医療システムと連携できることを目指す

連携するシステム(医療DX、レセコン、外注検査等)と業務・システム面を考慮して連携できることも目標に含まれています。レセコンとは、診療報酬の請求を処理するコンピュータのことです。複数のシステムがつながることで、診療情報のやり取りが変わる可能性があります。自分の医療データがどの範囲で共有されるのかは、今後の発表で注視すべきポイントです。

【3】導入・運用を双方が効率的に行えることを目指す

導入や運用保守において、医療機関・提供側双方が効率的に推進や業務を行えることも掲げられています。これは病院側だけでなく、システムを提供する企業側の負担も考慮する方針です。導入がスムーズに進めば、患者として受ける医療サービスにも関わってきます。

いずれもまだ設計・開発の段階であり、実際にどの医療機関でいつから使われるかは明らかになっていません。自分の診療情報に直接関わる変更になり得るため、デジタル庁からの続報を確認しておくことが大切です。

 

私の個人情報やプライバシーはどう守られる?

病院にかかるたびに記録される診察内容や処方薬の情報――これらがデジタル化されて複数のシステムとつながると聞けば、「自分の医療情報は大丈夫なのか」と不安になるのは当然です。

デジタル庁が設計・開発を進めている標準型電子カルテは、医療DX(医療分野のデジタル変革)やレセコン(診療報酬の請求を処理するシステム)、外注検査などのシステムと連携することが考慮されています。つまり、ひとつの電子カルテだけで完結するのではなく、複数のシステム間で情報がやり取りされる仕組みが想定されているということです。

この取り組みは「健康・医療・介護」分野の政策の一環として位置づけられています。

ただし、現在はまだ設計・開発段階です。技術仕様に関する意見を聴取しながら開発が進められるとされており、プライバシー保護の具体的な仕組みについては、今後の議論の中で詰められていく段階にあります。

・複数のシステムと連携する設計が考慮されているため、情報の取り扱い範囲がどこまで及ぶかは今後の重要な論点

・開発はまだ途中であり、技術仕様についての意見聴取が行われている最中

現時点では「こうすれば安心」と言い切れる段階ではありません。だからこそ、今後デジタル庁などから発表される公式情報を定期的に確認しておくことが重要です。

 

誰がこの新しい仕組みを作っているのか

「国が勝手に進めているのでは?」と感じるかもしれません。標準型電子カルテの開発体制について、公開されている情報をもとに整理します。

この標準型電子カルテの設計・開発を主導しているのはデジタル庁です。ただし、国の機関だけで作っているわけではありません。

デジタル庁はプロダクトワーキンググループ(PWG)に、医療DXや医療情報システムの変革に意欲的な民間企業・事業者に参画してもらい、開発を進めるとしています。実際に医療現場のシステムを扱ってきた企業の知見を取り入れながら仕様を決めていく形です。

参加する事業者は公募――つまり広く応募を受け付ける方式で募集されています。特定の企業だけに任せるのではなく、公募という開かれた手続きを採用している点は、開発体制の透明性に関わるポイントといえます。

・開発の主導:デジタル庁

・民間企業・事業者がPWGに参画して開発に関わる

・参加事業者は公募で募集されている

自分の医療情報を扱う仕組みがどのような体制で作られているかを知っておくことは、今後の変化を見守るうえで大切な判断材料になります。

 

結局、今すぐ何かすべきことはある?

現時点では、患者の立場で何か手続きをしたり、急いで準備したりする必要はありません。標準型電子カルテの設計・開発は令和8年度(2026年度)に向けて進められている段階であり、デジタル庁が情報を公開しています。

ただし、このプロジェクトは将来的に自分の医療情報――処方や検査の記録など――がどう扱われるかに関わるテーマです。「知らないうちに仕組みが変わっていた」とならないよう、デジタル庁の公式サイトで今後の発表を定期的に確認しておくことが、いまできる一番確実な備えといえます。

 

まとめ――医療情報の行方を見守るために

デジタル庁が設計・開発を進めている標準型電子カルテは、処方・検査などの業務をスムーズにし、複数の医療システムと連携することを目指す取り組みです。これまでにα版の開発・試行が進められ、2026年4月10日には、令和8年度の「導入版」に向けて技術仕様を検討するPWG構成員の募集が始まりました。

プライバシー保護の具体的な仕組みを含め、詳細はこれからの議論で決まっていきます。今すぐ何かを準備する必要はありませんが、自分の医療情報に直接関わるテーマである以上、デジタル庁の公式サイトで続報を確認する習慣をつけておくことをおすすめします。




出典:デジタル庁

参考:デジタル庁(健康・医療・介護)デジタル庁(標準型電子カルテα版 PWG構成員募集)

スマホライフPLUS編集部

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