最近、Google検索で何かを調べたとき、検索結果の一番上にAIが書いたまとめ文が表示されることが増えていませんか。「わざわざサイトを開かなくても答えが分かってしまう」─そんな場面が増えているとしたら、ブログや趣味のサイトを運営している場合、アクセスが減ってしまうのではないかと不安を感じるかもしれません。
この記事では、株式会社NEXERが実施した調査データをもとに、Google検索の「AI Overviews」がどのくらい浸透しているのか、サイトへのアクセスにどんな影響が出始めているのか、そして今の段階で何を確認しておけばよいのかを整理します。

Google検索に出る「AI Overviews」とは? 自分のサイトのアクセスが減るかもしれない理由
AI Overviews(AIによる概要)は、検索キーワードに対する回答をGoogleがAIで生成し、検索結果の最上部に表示する機能です。つまり、利用者がわざわざ個別のWebサイトを開かなくても、検索画面だけで答えが得られる場面が出てきたということになります。
この機能の普及により、検索体験やWeb集客のあり方が大きく変化し始めています。従来のSEO(検索エンジン最適化=検索結果で上位に表示されるための工夫)だけでなく、「AIにどのように引用・掲載されるか」が新たな重要テーマとして注目されています。
株式会社NEXERが、企業でWebサイト運営やデジタルマーケティングに従事した経験がある男女を対象に実施した調査(2026年4月16日〜4月22日、インターネット調査、事前調査630人/本調査31人)でも、この変化への関心が浮き彫りになっています。
個人でブログや趣味のサイトを運営している場合でも、「検索で見つけてもらえるかどうか」は気になるポイントです。お金をかけずにサイトを続けたいと考えているなら、アクセスの入り口がどう変わりつつあるのかを知っておくことは、今後の判断材料になります。
Web担当者の半数以上が認知、7割が「読む」──AI Overviewsはどれくらい浸透しているのか
「最近、Google検索すると一番上にAIの回答が出てくるけど、みんな読んでいるの?」─そう感じている方は少なくないはずです。株式会社NEXERが実施した調査から、AI Overviewsの浸透ぶりが見えてきました。
認知率は54.9%:AI Overviewsについて「よく知っている」「ある程度知っている」と回答した人は合計で54.9%。すでに半数以上のWeb担当者に認知が広がっています。
一方で4割以上が「知らない」:Web担当者の間でも理解度には差があり、まだ存在自体を把握していない層も残っています。
71.0%が「読む」:AI Overviewsを「毎回しっかり読む」「よく読む」「たまに読む」と回答した人は71.0%にのぼりました。
この数字が示すのは、検索結果に表示されるAI要約が、ユーザーの情報収集行動の一部として定着し始めているということです。普段スマホで調べものをするとき、検索結果の一番上に出てくるAIの回答をなんとなく読んでいる─その行動が、すでに7割の人に共通しています。
約35%がAI Overviewsだけで検索完結──サイトのクリック数が減る可能性はあるのか
「検索して気になるサイトを開く」─この当たり前の行動が、少しずつ変わり始めています。調査では、AI Overviewsに表示されたWebサイトを実際にクリックしたことがある人の割合が注目されました。
「毎回クリックする」「よくクリックする」「たまにクリックする」の合計は61.3%。6割以上がAI Overviewsに表示されたWebサイトを実際にクリックしている
一方で、AI Overviewsのみで検索を完結することが「よくある」「たまにある」と答えた人は35.5%
6割以上の人はAI Overviewsだけでは完結せず、従来の検索結果も確認している
つまり、まだ多くの人はAI Overviewsを読んだうえでサイトも訪れています。ただし、すでに約35%はAI Overviewsのみで検索を終えていることから、検索上位サイトであっても以前に比べてクリック数が低下している可能性があります。
では、実際にサイトのアクセスは減っているのでしょうか。自社サイトへの影響について聞いた結果は次のとおりです。
・「変化はない」が46.2%で最多
・「増加した」と「減少した」はいずれも15.4%
・「把握していない」が23.1%存在
現時点では「変化なし」が最も多いものの、増加と減少が同じ割合で出ており、サイトごとに影響が分かれ始めている状況です。さらに、約4分の1が変化を把握できていないという点も見逃せません。影響が出ていても気づけていないケースがあり得るためです。
SEOはもう意味がない? 調査で分かった「むしろ重要性が高まっている」という見方
AI Overviewsが検索結果の一番上に表示されるようになると、「これまでのSEO(検索エンジン最適化=検索で上位に表示されるための工夫)は意味がなくなるのでは?」と不安に感じる方もいるかもしれません。
しかし、株式会社NEXERの調査では、SEOの重要性について「変わらない」と答えた人が51.6%で最多でした。AI Overviewsが登場した現在でも、SEOの重要性は依然として高いと考える方が多い結果です。
さらに注目したいのは、「やや上がった」「大きく上がった」を合わせると22.6%にのぼる点です。AI Overviewsの時代だからこそ、検索上位に表示される重要性が増していると感じる方も一定数います。
その背景として、調査では次のような見方が示されています。
AI Overviewsは検索上位ページを参考に回答を生成する傾向がある
そのため、従来のSEOが不要になるのではなく、むしろ土台として重要性が高まっていると考えられる
つまり、AIが回答をつくるときの「情報源」として選ばれるには、まず検索で上位に表示されていることが前提になり得るということです。「SEOはもう古い」と決めつけるのではなく、これまでの取り組みが新しい検索環境でも土台になるという視点を持っておくと、過度な不安を避けられるのではないでしょうか。
対策しているのはまだ約35%─約7割が仕組みを理解できていない現状
Webサイトを運営する人たちの間で、AI Overviewsへの対策はどのくらい進んでいるのでしょうか。調査によると、対策を「積極的に行っている」「一部行っている」「検討している」と答えた人は合わせて34.6%でした。すでにおよそ3分の1以上が対策を意識し始めていますが、一方で「行っていない」が65.4%と最多で、まだ多くの人が様子を見ている状況です。
この背景には、AI Overviewsの仕組みが十分に理解されていない現状があるようです。掲載される仕組み(掲載ロジック)を「十分理解している」「ある程度理解している」と答えた人は25.9%にとどまり、約7割が「あまり理解していない」「全く理解していない」と回答しました。対策方法についての情報がまだ不足していることがうかがえます。
実際に、自社サイトが掲載された経験がある人は22.6%とまだ少なく、「一度も掲載されたことがない」は35.5%で最多です。「分からない」も29.0%存在しており、自社サイトの掲載状況を十分に把握できていないケースも少なくありません。
一方で、今後対策が「必要だと感じる」人は42.0%にのぼります。「どちらともいえない」も29.0%存在しており、判断が定まっていない層も一定数いるようです。AI Overviewsの普及が進む中で、対策に取り組む企業とそうでない企業との差が、今後広がっていく可能性があります。
結局、どうすればいい? まず確認しておきたいこと
AI Overviewsが検索体験の標準になりつつある今、「何から手をつければいいのか分からない」という方も多いはずです。まずは次の点を意識しておくと、状況を整理しやすくなります。
検索順位だけでなく、AI Overviews経由のアクセスにも目を向ける―今後は、従来の検索順位に加えて、AI Overviews経由の流入分析も重要性が高まると考えられます。自分のサイトがAI Overviewsに表示されているかどうかを把握することが出発点になります。
従来のSEO対策も引き続き意味がある―AI Overviewsは検索上位ページを参考に回答を生成する傾向があるとされています。つまり、これまでのSEO(検索エンジン最適化)が土台として機能する構図は変わっていません。
大きなコストをかけなくても、まずは「自分のサイトがAI Overviewsにどう扱われているか」を知ることが第一歩です。変化の全体像をつかんだうえで、次の判断に進んでみてください。



