「部下との距離感がつかめない」「飲みに誘っていいのか分からない」──職場で若手社員との接し方に戸惑いを感じている管理職世代は少なくないはずです。世代が違えば価値観も違うとは分かっていても、具体的にどこがズレているのかは意外と見えにくいものです。
2026年5月27日、株式会社マイナビが運営する『マイナビティーンズラボ』が「Z世代部下とY世代上司の関わり方に関する調査」を発表しました。この記事では、調査から見えてきた世代間ギャップの実態を整理し、職場のコミュニケーションを考えるヒントを探ります。

「最近の若者は…」Z世代部下との関わり方に悩むY世代上司が増えている?
今回の調査は、入社1年目のZ世代(1990年代後半〜2010年代前半生まれ)の社会人と、日常業務でその社員と関わる35〜49歳のY世代(1980年代〜1990年代半ば生まれ)の管理職層を対象に行われたものです。職場でのコミュニケーションや評価、飲み会・懇親会、ハラスメント意識などについてアンケート調査を実施しています。
つまり、まさに「上司と新人」の間で何が起きているのかを、双方の視点から明らかにしようとした調査といえます。実際、上司・部下とのコミュニケーションで悩みやトラブルを経験したことがあるかを聞いたところ、Z世代部下・Y世代上司ともに半数以上が「経験がある」と回答しています。以下では、調査結果のなかから特に注目すべきポイントを順に見ていきましょう。
部下との関係改善、意外な答えは「AIに聞く」?世代共通のトップ回答
職場で若手とどう接すればいいか悩んだとき、誰に相談するでしょうか。同僚や家族、あるいは本やネット検索を思い浮かべる方が多いかもしれません。ところが、今回の調査では意外な傾向が見えてきました。
調査によると、コミュニケーション改善のために取り組んでいることとして、Z世代部下・Y世代上司の双方で最も多く挙がったのが「ChatGPTなどAIに聞く」という方法でした。Z世代部下では41.9%、Y世代上司では42.5%にのぼり、いずれも「同僚など自分と近しい立場の人に相談する」(ともに41.3%)と肩を並べるトップ回答だった点が注目されます。
「相手にどう声をかければいいか分からない」「自分の言い方がハラスメントにならないか不安」——そうした悩みを、人に聞く前にまずAI(人工知能を使った対話サービス)へ投げかけるという行動が、世代を超えて広がりつつあるようです。AIへの相談が、身近な人への相談と同程度の選択肢として位置づけられ始めていることは、職場の人間関係に悩む人にとって知っておいて損のない変化でしょう。
仕事のやる気を左右するのは同じ?Z世代・Y世代ともに「仕事のやりがい」が鍵
「若い社員とは価値観が違いすぎて、話がかみ合わない」——職場でそう感じたことはないでしょうか。世代が違えばモチベーションの源も違うはず、と思いがちですが、今回の調査結果はその思い込みを覆すものでした。
調査によると、仕事へのモチベーションが下がる要素として、Z世代部下・Y世代上司の双方で最も多かったのは「自分の業務にやりがいを感じられないとき」でした。割合はZ世代部下が51.8%、Y世代上司が44.2%。年齢や立場が異なっても、「やりがいを感じられるかどうか」が働く意欲を左右するという点では共通しています。
この共通点は、世代間のすれ違いを感じている人にとって一つの手がかりになります。日々のコミュニケーションで「何にやりがいを感じるか」を互いに知ることが、相互理解の土台になりうるといえるでしょう。
評価のズレが不満の原因?Z世代は「成果」、Y世代上司は「人間性」を重視
若手の部下とのコミュニケーションで、「良かれと思ってしたことが、なぜか響かない」と感じた経験はありませんか。もしかすると、仕事の評価で大切にしているポイントが、お互いに異なっているのかもしれません。
調査によれば、Z世代の部下が「どう評価されたいか」で最も多く挙げたのは「成果や業績などの結果」(53.8%)で、次いで「努力や成長プロセス」(49.2%)でした。自分がどれだけ結果を出したか、その過程でどう成長できたかを評価されることを期待しているのです。
一方で、Y世代の上司が「部下を評価する際に重視する点」で最も多かったのは「誠実さなど人間性」(47.2%)で、次いで「チームワークや協調性のある立ち回り」(43.2%)でした。チームとしてうまく機能するか、組織の中で信頼して任せられるかといった点を見ているようです。
モチベーションを左右する「やりがい」では共通していても、評価の軸にはこうした違いがあります。このズレが、評価への納得感を損ない、すれ違いやモチベーションの低下を招く一因となっている可能性は見逃せません。「何を評価するか」だけでなく「何を評価してほしいと相手が思っているか」を意識することが、関係改善のきっかけになるかもしれません。
「飲み会は不要」が本音?Z世代部下の4人に1人が上司との懇親会に消極的
職場の親睦を深めようと飲み会や懇親会を企画する側にとって、少し気になる調査結果があります。
調査によると、Z世代部下に上司を含む飲み会・懇親会への参加意向を聞いたところ、最も多かった回答は「できるだけ参加したくない」(26.1%)でした。4人に1人が参加に消極的という結果で、良かれと思って声をかけた懇親の場が、相手にとっては負担になっているケースも考えられるということです。
背景には、Z世代部下が働く上で重視する価値観があります。上位は「ワークライフバランス」(65.7%)、「人間関係の良さ」(56.8%)、「収入・待遇」(46.9%)。職場での人間関係を大切にしつつも、私的時間との線引きを重視する姿勢がうかがえます。意識しておきたいのは、「誘うこと自体が悪い」のではなく、相手の温度感を確認しないまま繰り返すことがすれ違いにつながりやすいという点です。
なお、この慎重さは上司側にも表れています。Y世代上司にハラスメントを意識して控えた行動を聞いたところ、「プライベートな会話を控えたことがある」が41.6%で最多、次いで「飲み会や懇親会を控えたことがある」が35.3%でした。距離を縮めることに、上司もまた慎重になっている実態が見えてきます。
まとめ
今回の調査で見えてきたポイントを振り返ります。
コミュニケーション改善策として、Z世代部下・Y世代上司ともに「ChatGPTなどAIに聞く」が最多だった。相手との接し方に悩んだとき、AIを相談相手にする動きは世代を超えて広がっている。
モチベーションが下がる要素は、どちらの世代も「業務にやりがいを感じられないとき」が最多。裏を返せば「やりがい」は共通の土台になり得る。
一方、評価のポイントには差がある。Z世代部下は「成果や業績などの結果」を重視し、Y世代上司は「誠実さなど人間性」を重視する傾向がある。
飲み会・懇親会については、Z世代部下の4人に1人が「できるだけ参加したくない」と回答している。
「やりがい」という共通点がある一方で、評価や飲み会への意識にはギャップがあります。部下が何を大切にしているかを知るだけでも、声のかけ方や評価の伝え方は変わるはずです。まずは「自分と相手では見ている景色が違うかもしれない」という前提に立つことが、関係づくりの第一歩になるのではないでしょうか。
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出典:株式会社マイナビ(PR TIMES)



